「ばね指」や「CM関節症」に要注意! スマホの使いすぎで起こる手の症状を医師に聞く

スマホの操作中に「親指が痛い」と感じたことはありませんか? 一時的な疲れと思って放置してしまうと、実はばね指(屈筋腱腱鞘炎)やCM関節症といった病気が隠れている可能性があります。今回は、その原因や特徴について横山先生に解説していただきました。

監修医師:
横山 光輝(よこやま整形外科 手とリウマチクリニック)
編集部
スマホ操作のしすぎで親指が痛くなった場合、どんな状態が考えられるのですか?
横山先生
「親指が痛い」と言ってもメカニズムは様々なので、一概に「こうなっています」とは決められませんが、スマホ操作のしすぎで親指が痛くなった場合、「ばね指(屈筋腱腱鞘炎)」の発症が考えられます。また、親指の付け根にあるCM関節にゆるみが出て「CM関節症」となっているケースも多いですね。
編集部
ばね指とは何ですか?
横山先生
親指に限らず、指には「屈筋」と呼ばれる関節を曲げる筋肉があり、それぞれの屈筋の端には「屈筋腱」があります。そして、その腱を滑らかに動かすために、「腱鞘」というトンネルがあります。この腱鞘と、その中を通っている屈筋腱がこすれ合って炎症が起き、ばね指を引き起こします。
編集部
指を使いすぎると、屈筋腱がこすれて炎症を起こすのですか?
横山先生
そうですね。スマホを頻繁に触っている人のほかにも、「楽器などで指をよく使う人」「更年期で女性ホルモンの働きが低下している人」「関節リウマチの人」「透析を受けている人」などにもばね指がみられます。
編集部
CM関節症についても教えてください。
横山先生
親指の付け根にある関節を(母指)CM関節と言います。CM関節は、スマホの操作だけでなく、箸や筆記用具を使ったり、ものを握ったり、つまんだりするときに負荷がかかります。加齢や使い過ぎなどにより、この関節部分にゆるみが生じた結果、軟骨がすり減って摩擦が生じて腫れや変形が起きるのがCM関節症です。発症するのは、男性と比べて女性の方が3倍ほど多く、とくに45歳以降で患者さんが増える傾向にあります。
※この記事はメディカルドックにて【その指の痛みや変形、スマホのせいかも!? 「スマホ指」の症状や対策を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。