「肥満」と「メタボリックシンドローム」は別物? 危険な違いとは【医師解説】

肥満とメタボリックシンドロームはどちらも健康診断やニュースで耳にする言葉ですが、その違いを正しく理解できている方は少ないかもしれません。両者の違いを知ることで、自分自身の健康リスクをより正しく把握できます。今回は、その関係性や判断基準について津保先生に解説していただきました。

監修医師:
津保 勝郎(つぼ内科おなかクリニック)
編集部
肥満とメタボリックシンドローム、ふたつともよく聞く言葉ですが違いはあるのですか?
津保先生
まず肥満について説明します。肥満とは、正常な状態に比べて体重が多い、または脂肪が過剰に蓄積した状態のことです。脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。また、体重kg÷(身長m×身長m)で算出されるBMIという数値が25を超えると男女共に肥満となります。
編集部
メタボリックシンドロームはこれとは違うのですか?
津保先生
メタボリックシンドロームは内臓脂肪が過剰に蓄積し、さらにそれにより生活習慣病を2つ以上引き起こした状態を言います。内臓脂肪の蓄積の目安は、腹囲が男性は85cm以上、女性が90cm以上です。
編集部
腹囲の数値が上記を超えていて、さらに生活習慣病になっているとメタボリックシンドロームということですか?
津保先生
はい。脂質異常症、収縮期高血圧、空腹時高血糖のうち、2つが基準値以上になると、メタボリックシンドロームです。
編集部
では肥満の先にメタボリックシンドロームがあるというイメージですか?
津保先生
そうですね。肥満により内臓脂肪が増加していくと、生活習慣病を発症します。そうなるとメタボリックシンドロームと診断されます。
※この記事はメディカルドックにて【「肥満」と「メタボリックシンドローム」はどう違うの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。