近視、遠視、乱視の違いはご存知ですか? それぞれの症状や原因を医師が解説
公開日:2025/03/19

視界がぼやける原因は、近視・遠視・乱視などさまざまです。「最近、遠くが見えづらくなった」「細かい文字を読むのが大変」と感じている方も多いのではないでしょうか? それぞれの違いや特徴、視力が低下する仕組みについて、「片桐眼科クリニック」の片桐先生に解説していただきました。
編集部
近視・遠視・乱視の特徴を教えてください。
片桐先生
遠くは見づらくても、近くは見ることができるのが近視です。ある程度進み、生活に不自由をきたしたら眼鏡が必要となりますが、子どもの場合は目薬で回復することもあります。反対に遠視は、遠くは見えますが、近くは見えません。近くを見るときは、目はかなり無理をしています。乱視は、遠くも近くも、距離に関わらずぼやけます。
編集部
近視の原因はなんですか?
片桐先生
私たちの目は、角膜と水晶体で目の中に入る光を調節し、網膜上に焦点を合わせます。正常な場合は、網膜上に焦点を合わせることで鮮明な像として見ることができます。しかし、眼球の奥行きが長くなってしまうと、網膜自体が後ろにずれてしまうので、網膜に焦点が合わずに手前にピントが合ってしまい、見たいものに焦点を合わせることができません。これが近視です。


編集部
近視は悪いことなのでしょうか?
片桐先生
近視が進行すると、「視力が落ちた」「目が悪くなった」と感じる人がほとんどだと思います。とてもネガティブなイメージでとらえられがちですが、実はそうとも限りません。現代の日常生活では、携帯、テレビ、パソコンなど、近くを見ることの方が圧倒的に多いのです。生活に支障がなく、検査で多少の近視を指摘されても、必ずしも悪い事ばかりではないのです。

監修医師:
片桐 喜彰(片桐眼科クリニック)
プロフィールをもっと見る
北里大学医学部卒業。その後、東京医科大学病院、伊豆下田病院(現・伊豆下田診療所)などで眼科医として経験を積む。2009年、神奈川県横浜市に「片桐眼科クリニック」を開院。医学博士。日本眼科学会専門医。
※この記事はメディカルドックにて<子どもの「近視」の治療法を医師が解説! 放置のリスクや予防法もご紹介>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。