流産にもいろいろなタイプがある? 流産の種類と症状について医師が解説

流産と一口に言っても、その種類や状態にはさまざまな違いがあることをご存じでしょうか? 例えば、妊娠検査薬では陽性が出たものの、エコーで確認する前に流産してしまう化学流産や、赤ちゃんの成長が途中で止まる稽留流産、出血や腹痛を伴う進行流産などがあります。流産の種類やそれぞれの特徴について、「折野産婦人科」の折野先生に詳しく伺いました。
編集部
流産にも種類があるのですか?
折野先生
そうですね。例えば、原因による分類としては「人工流産」や「自然流産」などがあります。人工流産は、いわゆる人工妊娠中絶のことです。また、妊娠検査薬で陽性が出たのにも関わらず、エコーなどで確認する前に流産してしまった状態を「化学流産」と言います。
編集部
症状によっても分類されると聞きました。
折野先生
はい。最近増えているのは、妊娠が確認できた後、成長が止まってしまう「稽留(けいりゅう)流産」という状態です。先述した流産の兆候がなく、妊婦健診の際に指摘されて初めて気づくケースが多いですね。稽留流産ではなく、出血や腹痛から始まり、子宮内のものが外に出てきてしまうのは「進行流産」と呼ばれています。
編集部
では、切迫流産とはなんですか?
折野先生
切迫流産は、厳密には流産ではなく「流産しかかった状態」を言います。妊娠22週未満で、出血などの症状がみられた場合などに切迫流産と診断されます。
編集部
切迫流産となった場合、どうしたらいいのですか?
折野先生
切迫流産に対してはっきりと有効性が確認されている薬剤はないので、安静にしているのが一番の対処法です。切迫流産の状態などによって、止血剤や子宮収縮抑制剤、ホルモン剤などが処方されることもありますが、これも絶対ではありません。

監修医師:
折野 一郎(折野産婦人科)
※この記事はメディカルドックにて<妊娠初期の流産の原因や兆候を産婦人科医が解説 早期流産の確率はどれくらい?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。