長年の高血圧、実はホルモンが原因かも? 二次性高血圧の検査と治療法を医師が解説

二次性高血圧は内分泌疾患が原因となることがあり、その場合、血液や尿を使ったホルモン測定や画像検査を通じて、どのホルモンが関与しているのかを特定できるそうです。原因がわかれば、ホルモンの過剰分泌を治療することで高血圧を改善できる可能性もあります。「おばな内科クリニック」の川名部先生に、二次性高血圧の治療方法について伺いました。

監修医師:
川名部 新(おばな内科クリニック)
編集部
二次性高血圧の原因となる内分泌疾患はどうやったらわかるのですか?
川名部先生
内分泌疾患は多岐に渡るため、血液や尿などのホルモン測定や、部位を特定するための画像検査など詳しいホルモン検査が必要になります。
編集部
原因がわかれば治すこともできるのですか?
川名部先生
その疾患にもよりますが、病気によっては適切に治療すれば高血圧症状を完治させることもできます。内分泌疾患は、ホルモンの過剰分泌が起こっていることがほとんどなので、過剰分泌を起こしている部分を摘出すれば完治が期待できます。摘出ができない場合は、ホルモンの分泌をブロックするお薬を内服することで症状が緩和されます。
編集部
二次性高血圧に対し、セルフケアとしてできることはありますか?
川名部先生
二次性高血圧だとしても、高血圧であることは変わりませんので、まずは、定期的かつ決まった時間に血圧を測定してご自身の血圧を管理しましょう。医療的な治療が必要な場合はそれを大前提として、さらに継続的に行う適度な運動や食生活を中心とした生活習慣の改善が治療にとても有効です。
編集部
最後に、MedicalDOC読者へのメッセージがあればお願いします。
川名部先生
高血圧で長いこと悩んでいる人の中には、実は内分泌疾患が原因というケースが一定数いると考えられています。これは通院の有無関係なく、例えば何年も通院していていたが検査をするまでホルモンが原因とはわからなかった、という人も実際にいます。高血圧を指摘されている人で内分泌の検査をしたことがないという人は、まず検査を受けていただきたいです。かかりつけ医に「ホルモンの検査をしてほしい」と言えば対応してもらえると思いますので、特に20~30代で高血圧と言われている人や降圧剤でうまく管理できない高血圧の人、血圧の変動が大きい人などは検査をお勧めします。
※この記事はメディカルドックにて<「血圧が高い=単なる高血圧ではない」可能性も!? 怖い“二次性高血圧”とは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。