高血圧がほかの病気のサイン? 放置してはいけない二次性高血圧とは【医師解説】

高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があり、それぞれ原因や発症のメカニズムが異なります。特に二次性高血圧は自覚症状がないことが多いため、気づかずに放置すると、動脈硬化や心血管疾患、脳血管疾患を引き起こす恐れもあるようです。高血圧の種類や気を付ける疾患について「おばな内科クリニック」の川名部先生に伺いました。
編集部
高血圧にも種類があるのですか?
川名部先生
高血圧が起こるメカニズムで考えると、明確な要因があるわけではない「本態性高血圧」と、ほかの疾患や薬剤の副作用が原因で起こる「二次性高血圧」とがあります。日本人の高血圧症の約90%が本態性高血圧といわれています。
編集部
例えばどんな原因が考えられますか?
川名部先生
「本態性高血圧」は、遺伝的要因や塩分の摂り過ぎ、肥満、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的なストレスなどの環境的要因が重なって発症すると考えられています。
編集部
では、二次性高血圧の原因にはどんなものがありますか?
川名部先生
薬剤の副作用によるもののほかには、内分泌疾患が原因である二次性高血圧が多くみられます。ただし、高血圧を引き起こす内分泌疾患には症状のないものも多くあり、また高血圧そのものも自覚症状がありませんので、なかなか気づくことのないままというケースも少なくありません。
編集部
気づかないとどうなるのですか?
川名部先生
二次性高血圧に気づかずそのままにしておくと、先ほど言ったような悪循環で動脈硬化を引き起こし、さらには心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気を招いたり、脳出血・脳梗塞の原因になったりします。さらに、内分泌疾患も気づかずに放置してしまうことになり、その疾患自体も進行してしまいます。症状がないからといって放置しておくことはとても危険なのです。

監修医師:
川名部 新(おばな内科クリニック)
※この記事はメディカルドックにて<「血圧が高い=単なる高血圧ではない」可能性も!? 怖い“二次性高血圧”とは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。