尿の泡立ちは「糖尿病」かも? 正常な泡と病気が疑われる泡の見分け方とは【医師解説】

排尿時に泡が目立つと、「何かの病気では?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。運動後や汗をかいたときにも起こることがありますが、場合によっては腎臓の異常を示すサインかもしれません。泡立つ尿の原因と注意すべきポイントについて「糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック」の武井先生に解説していただきました。

監修医師:
武井 真大(糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック)
編集部
最近、排尿時の泡が目立ってきました。何かの病気でしょうか?
武井先生
その時点では、病気とは断定できません。それだけ尿が“粘って”きているのでしょう。原因は大きく2方向に分かれ、「水分が少なくなっている」か「粘りの元となる成分が多く混ざっている」のどちらかです。これらは、尿検査をしてみれば鑑別できます。
編集部
なるほど、「水分が少ない」というパターンもあるのですね?
武井先生
運動の直後や汗ばむ時期などには、病気の有無にかかわらず、尿が泡立つときがあります。ですから、「排尿の直前に何をしていたか」によって変わり得るということです。ただし、病気による可能性もあるので、気になるようでしたら、検査だけはしていただきたいと思います。
編集部
もう一方で、尿中に何かが混ざっているとしたら?
武井先生
泡立ちの原因として考えられるのはタンパク質です。尿タンパクの異常は疲労や睡眠不足によっても生じますが、やはり怖いのが「腎臓の病気」でしょう。腎臓でタンパク質がこしきれていないということです。
編集部
腎臓病の病気といえば糖尿病ですか?
武井先生
尿にタンパク質が大量に出ているとしたら、考えられる病気の代表格は「糖尿病性腎臓病」です。他方で、タンパク質が多すぎる食事などの影響もあり得ますが、まずは病気を疑ってみるべきではないでしょうか。尿検査による血糖値の確認が簡単かつ一目瞭然なことに加えて、すぐに結果が出ます。
※この記事はメディカルドックにて【「尿の泡立ちが気になる…」これって糖尿病のサインなの!?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。