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「慢性腎臓病(CKD)」の治療法とは? 人工透析・腎移植・薬物療法の特徴を医師が解説!

 公開日:2025/03/15
食事療法以外にもある慢性腎臓病(CKD)の治療法を医師が解説 人工透析、腎移植、薬物療法など

新たな国民病ともいわれる「慢性腎臓病(CKD)」。自覚症状が乏しいため、気づいたらかなり病気が進行していた、ということも少なくありません。今回は、慢性腎臓病の治療には、食事療法以外にどのようなものがあるのか 東池袋きむら内科クリニックの木村先生にうかがいました。

木村 庄吾

監修医師
木村 庄吾(東池袋きむら内科クリニック)

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2004年金沢医科大学医学部卒業。2011年2011年金沢医科大学医学部大学院医学研究科修了。社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院内科医長、JA岐阜厚生連中濃厚生病院腎臓内科部長、武蔵野総合クリニック練馬副院長、両国駅前内科・透析クリニック院長、順天堂大学腎臓内科非常勤講師、湘南内科クリニック六本木院院長などを経て2021年4月東池袋きむら内科クリニック開院。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会専門医、日本透析医学会専門医。

編集部編集部

食事以外の慢性腎臓病の治療法はありますか?

木村庄吾先生木村先生

一般的には薬物療法も多く行われます。治療薬にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると以下のように区別されます。
・血圧を調整する薬(降圧薬や利尿薬)
・腎臓の働きをサポートし、尿毒素を外へ排出することを促す薬(経口吸着炭素製剤)
・貧血を改善する薬(腎性貧血治療薬)
・体液量やイオンバランスを調整する薬(カリウム吸着薬、リン吸着薬、SGLT2阻害薬)
そのほか、糖尿病の方は血糖をコントロールする薬も必要です。

編集部編集部

食事療法や薬物療法でも効果が期待できない場合はどうしますか?

木村庄吾先生木村先生

腎臓の機能がほとんど失われてしまった場合には腎代替療法といって、人工的に腎臓の働きを代替する治療が必要になります。具体的には透析療法腎移植があります。

編集部編集部

病期が進むとそのような治療が必要になるのですね。

木村庄吾先生木村先生

はい、いずれにしても一旦失われた腎臓の機能は再生されず、治療は「いかにして病気を進行させないか」ということに主眼が置かれます。そのため自覚症状がなくても慢性腎臓病と診断されたらできるだけ早めに治療を開始すること、そして定期的に検査を受け病態を確認しておくことが必要になります。

編集部編集部

あらためて、どのように慢性腎臓病と向き合えばいいですか?

木村庄吾先生木村先生

慢性腎臓病に用いられる薬剤にはさまざまなものがありますが、なかでもSGLT2阻害薬は病気の進行を緩やかにする効果が認められ、近年注目されています。eGFRという検査数値が60未満の場合には保険適用となったこともあり、多くの方がこの治療を開始しています。eGFRの項目は、通常の健康診断では測定されていないかもしれませんが、血清クレアチニン値・年齢・性別の3つがわかればWEBサイトなどで計算式を調べることができ、ご自分でも数値を確認できます。通常eGFRは加齢とともに低下していきますが、1年に5以上数値が下がっている場合には慢性腎臓病の可能性があるので早めに専門医の診察を受けましょう。また、血清クレアチニン値は筋トレを習慣的に行っている方や、若い頃スポーツを熱心にしていた方の場合高値を示しやすいという特徴があります。その場合には、医療機関で運動履歴をお話しいただき、eGFR値を測定してもらうことをおすすめします。

※この記事はMedical DOCにて<新たな国民病? 「慢性腎臓病(CKD)」の治療法や食事・薬物療法を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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