「片頭痛」が起こる原因はご存じですか? メカニズムを脳神経外科医が解説!

しつこい片頭痛に悩まされている人も多いと思います。頭痛のたびに治療薬を服用している人も多いのでは? そもそも片頭痛はなぜ起きるのでしょうか。その原因を、辻堂脳神経・脊椎クリニック の中川先生に Medical DOC編集部が聞きました。

監修医師:
中川 祐(辻堂脳神経・脊椎クリニック)
編集部
片頭痛の原因はなんですか?
中川先生
片頭痛の原因やメカニズムはまだ完全に明らかにされていませんが、さまざまな要素が誘因となって発症すると考えられています。有力な説の一つに三叉神経血管説というものがあります。
編集部
それはどのようなものですか?
中川先生
これは光、音、におい、ホルモンの変化、気温、気圧など何らかの刺激により、硬膜上にある三叉神経終末からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの血管作動物質が放出されることによって片頭痛が起きるという説です。CGRPが放出されると血管からタンパク質などが漏れやすくなり、炎症が起こります。この炎症が三叉神経によって脳に伝えられることで頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が起きるというものです。
編集部
片頭痛のメカニズムの解明が進んでいるのですね。
中川先生
近年ではさらに研究が進み、そのほかにも皮質拡延性抑制という現象が脳に起きると片頭痛の前兆として閃輝暗点が生じることがわかっています。しかしなぜ、皮質拡延性抑制の現象が起きるかはまだ明確にされておらず、今も研究が行われています。
※この記事はMedical DOCにて<片頭痛が起こる原因と治療法はご存じですか? 予防法・女性に多い理由も医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。