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「鉄欠乏性貧血」になったときの対処法はご存じですか? 治し方を医師が解説!

 公開日:2025/03/09
鉄欠乏性貧血の治療薬で用いられる内服薬と注射鉄剤について血液内科の専門医が比較解説

貧血に悩む方はとても多いようです。 そこで今回は貧血の中でも特に多い「鉄欠乏性貧血」の治療薬について渡邉 健先生(ハレノテラスすこやか内科クリニック 院長)にMedical DOC編集部が伺いました。

編集部編集部

鉄欠乏性貧血の治療はどのように行うのですか?

渡邉 健先生渡邉先生

治療の前に原因の評価が必要です。例えば、月経過多が原因と思われる場合でも消化管や子宮などに重大な病気が隠れていないか評価したうえで鉄分の補充をしていきます。鉄分の補充方法としては、食べ物やサプリメントもありますが、貧血の回復のためには薬剤を用いるのが効果的です。

編集部編集部

薬剤にはどんなものがあるのですか? 第一選択はなんでしょうか?

渡邉 健先生渡邉先生

鉄欠乏性貧血の治療薬には、内服薬注射剤があります。内服薬が第一選択で、なんらかの理由で内服薬が利用できない場合や、鉄の喪失が激しい場合に注射剤が適用されます。

編集部編集部

内服薬にはどんなものがありますか?

渡邉 健先生渡邉先生

内服薬では以前から用いられていたものとしてフェロミア®︎、フェロ・グラデュメット®︎、フェルム®︎などがあります。さらに最近、慢性腎臓病の高リン血症の治療薬である「リオナ®」が、血液中の鉄を上昇させる効果があると認められ、鉄欠乏性貧血にも適応が拡大されました。ほかには、小児に用いることが多い「インクレミンシロップ🄬」というシロップもあります。

編集部編集部

では、注射剤についても教えてください。

渡邉 健先生渡邉先生

重症の貧血の場合や副作用が強く鉄剤を飲めない場合、胃や腸の病気のため吸収が悪いときなどに注射剤が選択されます。注射薬としてはこれまでは「フェジン®」が使われていましたが、1回の投与量が120mgまでのため通常10回以上通院する必要がありました。最近発売された「フェインジェクト®」や「モノヴァー®」は鉄分を大量に補うことができる製剤でそれぞれ500mg、1000mgの鉄を1回で補うことができ患者さんの通院の負担が減少しました。

渡邉 健

監修医師
渡邉 健(ハレノテラスすこやか内科クリニック)

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2003年 鹿児島大学医学部を卒業後、東京医科歯科大学(現東京科学大学)にて内科診療の経験を積み、血液内科の病棟医長を務める。2019年には、それまでに培った血液疾患治療と全身管理の経験を活かし、ハレノテラスすこやか内科クリニックを開業。総合内科専門医。日本血液学会専門医。

※この記事はMedical DOCにて<【血液内科医に聞く】『鉄欠乏性貧血』原因は? 治療方法や最新薬についても解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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