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「前立腺がん」治療の副作用はご存じですか? 治療の種類と特徴も医師が解説!

 公開日:2025/03/01
前立腺がん 治療法の種類

社会の高齢化とともに増加し続けている前立腺がん患者数。近年では前立腺がんに対する治療法も進化しており、早期に発見すれば治ることも多いとされています。今回は前立腺がんの治療法の種類について、あらい泌尿器科の新井先生にMedical DOC編集部が聞きました。

新井 学

監修医師
新井 学(あらい泌尿器科)

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1991年3月東京医科歯科大学医学部 卒業、東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)泌尿器科入局。藤沢市民病院泌尿器科、春日部市立病院(現・春日部市立医療センター)泌尿器科、東京都多摩老人医療センター(現・東京都立多摩北部医療センター)泌尿器科、中野総合病院泌尿器科、獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)泌尿器科准教授、獨協医科大学埼玉医療センター前立腺センター 教授、獨協医科大学埼玉医療センター総合がん診療センター センター長などを経て2023年4月あらい泌尿器科開院。日本泌尿器科学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

編集部編集部

前立腺がんはどのようにして治療するのですか?

新井 学先生新井先生

大きく分けて監視療法、手術、放射線治療、ホルモン療法、化学療法があります。どの治療法を選択するかは、患者さんの年齢や病期、合併症などを考慮して決定します。

編集部編集部

それぞれどのような治療法なのか、簡単に説明してください。

新井 学先生新井先生

まず監視療法は、わかりやすくいえば経過観察のこと。適応があるのは、前立腺がんのサイズが小さく悪性度が低い場合で、PSAの値が10ng/mL以下などのケースです。

編集部編集部

経過を観察することも治療の一つなのですね。

新井 学先生新井先生

そもそも監視療法が行われる背景には、二つの理由があります。一つめは、前立腺がんは一般に進行が極めて遅く、病期にもよりますが、すぐに治療を受けなくても生存期間に影響しない症例が多いこと。そのため、「無理に治療を行う必要はなく経過を観察しても良いのでは?」という考えから、監視療法が選択されることがあります。

編集部編集部

もう一つは?

新井 学先生新井先生

二つめは、前立腺がんには極めて感度に優れ、特異性の高い「PSA」という腫瘍マーカーがあるということ。そのため体に負担となる治療を極力避け、経過をしっかり観察できるという、前立腺がんならではの特徴があります。ただし、監視療法を行っている最中にもし病気が進んでいることが疑われれば、その時点で適切な治療へ移行します。

編集部編集部

そのほかの治療法についても説明をお願いします。

新井 学先生新井先生

監視療法のほかには、前立腺と精のうを切除する全摘手術や、放射線を照射してがん細胞の増殖を抑える放射線治療、男性ホルモンの分泌や働きを妨げる薬を投与して前立腺がんの進行を食い止めるホルモン療法、抗がん剤を使用する化学療法があります。

編集部編集部

それらのなかでも、前立腺がんは放射線療法が有効と聞いたことがあります。

新井 学先生新井先生

さまざまな治療法のうち、完治を目指す治療は全摘手術と放射線治療です。手術に比べて放射線治療は比較的体への負担が少なく、入院も不要であることが多いので高齢の患者さんでも受けやすい治療法です。特に、がんが前立腺の内部にとどまっているⅠ、II期の限局性がんでは、最も推奨される治療法です。

※この記事はMedical DOCにて<「前立腺がん」の放射線治療にリスクはない? 手術とどっちが良い?【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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