「乳がん」を疑う“しこりの感触・感覚がある”ときの対処法・セルフチェック法を医師が解説!

乳がんは初期のうちに発見して適切に治療を行えば、命が助かる疾患ですが、そのために重要なのは乳房のセルフチェックです。しかし「セルフチェックってどうやればいいの?」と疑問に感じる女性も多いはず。そこで今回は柏の葉ブレストクリニックの森島先生に、乳がんのセルフチェックで、しこりがあるときの対処法について教えていただきました。

監修医師:
森島 勇(柏の葉ブレストクリニック)
編集部
乳がんのセルフチェックを行う上での注意点を教えてください。
森島先生
繰り返しになりますが、日頃から乳房を見る・触れるなどして、普段の乳房の見た目や触り心地を知っておくことが大切です。そうすることで「おかしいな」と変化に気づきやすくなります。もし毎日行うのが難しいのであれば、最低でも月1回はセルフチェックを行いましょう。
編集部
最低でも月1回は行うのが必要なのですね。
森島先生
はい。たとえば「美容室に行った日」「毎月最終金曜日」「誕生日と同じ日にち」「生理が終わった日」など、スケジュールを決めてルーティンにすると忘れにくくておすすめです。
編集部
乳がんのセルフチェックをするときには、どれくらいの力で行えば良いのですか?
森島先生
肋骨を感じるくらいの力で乳房に触れましょう。あまり強い力で押しても痛くなりますし、弱い力ではしこりを感じることができません。また、しこりを確認するときには指でつままず、指の腹でなでるようにしましょう。
編集部
しこりがあるなど「おかしいな」と思うことがあれば、何科を受診すれば良いのでしょうか?
森島先生
なるべく早めに乳腺外科、乳腺科、乳腺内分泌外科などを標榜している乳腺専門医を受診しましょう。しこりや異常が見つかったからといって必ずしも乳がんとは限りません。医療機関では、診察やマンモグラフィや超音波検査を行い、必要に応じて細胞診や針生検などで診断をします。
編集部
あらためて、どのように乳がんと向き合えばいいですか?
森島先生
乳がんのセルフチェックで大事なのは、「やるぞ!」と意気込んで行うよりも、日々の生活のなかでルーティン化してしまうことです。そして、自分の乳房の状態を知ることです。たとえば、毎日鏡を見て肌の状態を確認したり、ブラッシングしながら髪の毛の状態をチェックしたりするのと同じ感覚です。乳房の状態を毎日把握することで、いち早く異常や変化に気付きやすくなります。いつもと同じ感覚であればOKですし、もし「あれ?」と思う感覚があれば、万が一のことを考えて専門医を受診してほしいと思います。
※この記事はMedical DOCにて<【医師解説】乳がんの早期発見につながる『乳房のセルフチェック』具体的な方法や忘れないコツは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。