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「膠原病」って遺伝するの? 発症する原因・特徴的な症状を医師が解説!

 公開日:2025/02/24
膠原病の症状

「膠原病(こうげんびょう)」という名前は聞いたことがあるけれど、どんな病気かはよく知らないという方は多いのではないでしょうか? そこで今回は膠原病の症状について、リウマチ専門医の上原 武晃先生(湘南リウマチ膠原病内科院長)にお聞きしました。

編集部編集部

膠原病とはどんな病気ですか?

上原 武晃先生上原先生

膠原病は免疫の異常で生じる病気です。免疫とは、普通は外のウイルスや細菌に対して体を守るように働くのですが、何らかのきっかけで誤って自分の体を攻撃してしまいます。こうした病気を「自己免疫性疾患」といい、大きなくくりで「膠原病」とよんでいます。膠原病にはたくさんの病名があり、例えば関節リウマチなども膠原病のひとつです。

編集部編集部

どんな症状がでるのでしょうか?

上原 武晃先生上原先生

膠原病は長引く微熱や関節痛、筋肉痛、皮疹、手足のしびれなどが特徴です。発熱や倦怠感、体重減少といった一見軽いように思える症状から、歩行障害、皮膚の硬化、筋力の低下のほか、指先が白くなるレイノー現象など、さまざまな症状が見られます。進行すると肺や心臓、腎臓、消化器官など重要な臓器に合併症をおこし、重症化することがあります。

編集部編集部

どうして膠原病になるのですか?

上原 武晃先生上原先生

自分を守るはずの免疫システムが何らかの原因により異常を起こし、自分の体を攻撃することで発症します。なぜ免疫システムが異常をきたすのかのメカニズムははっきりと解明されていませんが、ストレスや感染症なども要因と言われています。過労や妊娠・出産、ケガなどがきっかけで発症する人もいますし、喫煙、女性ホルモン、腸内細菌などが関連するものもあり、さらにこれらの複数の因子が絡み合って発症につながることも多くあります。

編集部編集部

膠原病は遺伝しますか?

上原 武晃先生上原先生

膠原病といってもさまざまな疾患があり、病名によって多少は変わってくるのですが、いずれも遺伝の確率についての明確な数値は出ておらず、一概には言えません。例えば、一卵性双生児(双子)を対象にしたいくつかの研究では、片側が膠原病の場合はもう片側の子が発症する確率は「20~30%未満」や「10%未満」というさまざまな報告があります。親子などで遺伝する確率は、いずれの研究結果でも数%未満であり、そこまで高くはないでしょう。先ほども言った通り、膠原病は複数の因子が絡み合って発症していることが多いため、遺伝に関してもいくつかの要因の一部に過ぎません。

上原 武晃

監修医師
上原 武晃(湘南リウマチ膠原病内科)

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2006年 福島県立医科大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院や横浜市立大学附属市民総合医療センター、茅ヶ崎市立病院リウマチ膠原病内科部長などを経て、2019年 神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院、院長となる。1000例を超えるリウマチ・膠原病診療の経験を通し、早期発見・早期治療、そしてメディカルスタッフとチームになった専門ケアに注力した総合診療を行う。

※この記事はMedical DOCにて<「“膠原病”は遺伝しますか?」 症状や原因など疑問を内科医が回答>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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