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「高齢者の包茎」が及ぼす“性的機能への悪影響”はご存じですか? 性病リスクも医師が解説!

 公開日:2025/03/03
高齢者の包茎:性的機能の低下や性感染症のリスク

日本では、高齢者の健康に与える包茎の影響がしばしば見過ごされがちです。海外と比較して、日本の包茎手術への理解はまだ低く、その結果、多くの日本人男性がこの問題を抱えたまま高齢になります。しかし、包茎が高齢者の健康に及ぼすリスクは無視できません。さぎぬま泌尿器科・美容クリニックの野口尊弘先生に、包茎が高齢者に与える性へのリスクについて詳しく話を聞きました。

野口 尊弘

監修医師
野口 尊弘(さぎぬま泌尿器科・美容クリニック)

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帝京大学医学部を卒業後、同大学院の医学研究科を修了。学問的な基盤を固めた後、帝京大学医学部附属病院で臨床助手を経て、順天堂大学医学部附属静岡病院で助教授を務めた。現在は、さぎぬま泌尿器科・美容クリニックの院長として、経験と知識を生かしている。医学博士、日本泌尿器科学会泌尿器科専門医(JUA Board Certified Urologist)。低侵襲治療の革新であるロボット支援手術の認定資格(da Vinci Certificate)も保持。日本抗加齢医学会、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容外科医師会といった複数の学会にも所属し、抗加齢医学や美容外科の分野においても活躍している。

編集部編集部

高齢者の包茎が問題になることがあると聞きました。なぜ包茎が高齢者にとって重要な問題になるのでしょうか?

野口 尊弘先生野口先生

はい、その通りです。包茎は単に「恥ずかしさ」だけでなく、実際には健康面で無視できないリスクをもたらします。

編集部編集部

実際に高齢者の包茎がもたらす健康リスクについて教えてください。

野口 尊弘先生野口先生

通常、包茎は単純な衛生問題と見なされがちですが、実際にはそれだけではありません。例えば、「皮膚感染症や尿路感染症のリスク」が高まるのは周知の事実ですが、これに加えて、「性的機能の低下や性感染症のリスク」増加など、より深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。さらに「社会的スティグマや恥感が高齢者の自尊心に影響を与え、精神的なストレスや孤立」を引き起こすことがあります。

性的機能の低下や性感染症のリスク

健康リスク②:性的機能の低下や性感染症のリスク

編集部編集部

「性的機能の低下や性感染症のリスク」について詳しく教えてください。

野口 尊弘先生野口先生

包茎は高齢者においても性的健康において複数の問題を引き起こす可能性があります。一つ目に包茎の状態、つまり亀頭を包皮が完全に覆い戻せない状態では、包皮の動きが制限されることで性行為中の摩擦が減少する可能性があります。これは性的感覚や快感に影響を与える可能性があります。ただし、この影響の程度は個人によって大きく異なり、性的快感は身体的な要因のみならず、心理的、感情的要因によっても影響を受けます。

編集部編集部

そのほかには?

野口 尊弘先生野口先生

二つ目に、包茎は「性感染症(STI : Sexually Transmitted Infections)」のリスクを高める要因となり得ます。包茎がある場合、包皮と亀頭の間に細菌やウイルスが蓄積しやすくなります。これは、性感染症のリスクを高める可能性があり、特に高齢者の場合はSTIの症状が若い世代に比べて明確でないことが多いため、感染に気づかないことがあります。その結果、発見が遅ければ症状は悪化しますし、自分のみならずパートナーにも感染させてしまう可能性も高まります。これらの点を考慮すると、高齢者の包茎は性的機能の低下やSTIのリスクに影響を与える要因となり得ると言えます。そのため、適切な医療の受け入れも必要な場面が出てくるでしょう。特に、STIのリスクを考慮した場合、定期的な健康診断やSTIのスクリーニング(※)が推奨されます。

※疾患の早期発見や予防を目的とした一連の検査や評価のこと。これにより、疾患の早期治療や予防措置が可能となります。

※この記事はMedical DOCにて<尿路感染症だけじゃない 高齢者の包茎が健康に及ぼす影響とは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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