「糖尿病」が進行すると表れる“4つの症状”はご存じですか? コワい合併症も医師が解説

国民病として、患者数が急激に増加している「糖尿病」。糖尿病にはステージがあり、進行すると症状や治療方法も変わってきます。今回は、糖尿病が進行すると、どのような症状が出るのかについて、「そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院」の薗田先生にうかがいました。

監修医師:
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)
編集部
糖尿病が進行すると、どのような症状が表れるのですか?
薗田先生
- 手がしびれる
- 皮膚がかゆくなる
- ものが見えにくくなる
- 視野が欠ける
編集部
なぜ、そのような症状が表れるのですか?
薗田先生
糖尿病には様々な合併症があり、病態が進行するにつれて、これらの合併症を引き起こしやすくなるからです。
編集部
糖尿病には、どのような合併症があるのですか?
薗田先生
代表的なものは「三大合併症」と呼ばれています。具体的には「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」です。糖尿病の三大合併症は、「神経障害」の「し」、「目に起きる網膜症」の「め」、「腎症」の「じ」の頭文字を取って、「しめじ」と覚えましょう。
編集部
それぞれの合併症について、もう少し詳しく教えてください。
薗田先生
まず糖尿病性神経障害は、糖尿病による合併症の中で最も多く発症します。神経の働きが阻害されて、手足にしびれを感じたり、怪我などの痛みに気づきにくくなったりします。そのため、ちょっとした傷でも化膿することがあるのです。
編集部
なぜ、神経の働きが阻害されるのですか?
薗田先生
糖尿病になると血液がブドウ糖を多く含むようになり、ドロドロになって血管の壁を傷つけます。それにより、体の末端にある足や手の細い神経が傷つくのです。同様の理由で、目の網膜がダメージを受ければ糖尿病網膜症、腎臓の糸球体という組織がダメージを受ければ糖尿病性腎症を引き起こします。
編集部
糖尿病網膜症を発症すると、どのような症状がみられるのですか?
薗田先生
眼球の奥にある網膜の細い血管が障害を受けて、大量出血を起こしたり、網膜剥離を引き起こしたりします。そして最悪の場合、失明に至ることもあります。
編集部
失明することもあるのですね。
薗田先生
はい。糖尿病網膜症の怖いところは、失明の直前に視力障害が起きるまで、全く症状がないことです。これはいわば、気づかないうちに爆弾が育っているイメージでしょうか。視力障害が起こり、見えにくい、かすむといった症状がみられるようになって、初めて気づくことが多いのです。
編集部
恐ろしいですね……。最後、糖尿病性腎症についてはいかがでしょうか?
薗田先生
糖尿病によって腎臓がダメージを受け、老廃物を尿として排泄できなくなり、人工透析が必要なることもある疾患です。糖尿病性腎症も初期は、自覚症状がほとんどありません。
※この記事はMedical DOCにて<「糖尿病」の合併症、あなたは何個わかりますか? 症状・治療法も医師が徹底解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。