「大腸がん」になりやすい人に見られる8つのリスク要因をご存じですか?【医師解説】

大腸がんは、近年増加傾向にあるがんの一つで、特に日本では男女ともに死亡原因の上位を占めています。初期にはほとんど症状がなく、発見が遅れると治療が難しくなるため、リスク要因を理解し、予防や早期発見に努めることが重要です。そこで、大腸がんになりやすい人の特徴や8つのリスク要因について、医師の鈴木英雄先生に解説してもらいます。

監修医師:
鈴木 英雄(つくば消化器・内視鏡クリニック)
編集部
大腸がんは簡単にいうと、どのような病気ですか? 発症してしまうと大変な病気なのでしょうか?
鈴木先生
大腸がんは、結腸や直腸にできるがんの一種です。ポリープ(腺腫)が数年の経過で進行して形成されることが多いと言われています。近年増加傾向で部位別がん死亡数では男性の第2位、女性の第1位となっています。大腸がんは進行度合いでステージ0から4までの5段階で表記されます。5年生存率はステージ0が93%、1が92%、2が85%、3aが80%と高率ですが、3bは64%、4は20%と低率になってしまいます。よって、早期の段階で見つけることが非常に大事です。
編集部
大腸がんの初期にはどのような症状が出ますか?
鈴木先生
大腸がんは初期ではほとんど症状が現れません。血便や腹痛、便秘や下痢を繰り返す、体重減少といった症状がある場合は進行している場合があり、無症状の段階でがん検診を受けることが重要です。
編集部
大腸がんになりやすい人やリスク因子にはどのようなものがありますか?
鈴木先生
- 高齢化
- 赤身肉・加工肉の摂取
- 高脂肪・低繊維の食事
- 肥満
- 運動不足
- 喫煙
- 家族歴
- 炎症性腸疾患
これらの要因は単独でなく、相互に影響し合うことがあります。ただし、これらのリスク因子が存在していても、予防策や定期的な検診をおこなうことで早期発見・治療が可能となります。大腸がんは予防可能で、健康的な生活習慣や定期的な検診が重要です。食事の質を向上させ、適切な運動をおこない、喫煙や過度のアルコール摂取を避けることが予防につながります。家族歴や年齢などのリスク因子も考慮しながら、定期的な検診を受けることが大切です。
※この記事はMedical DOCにて【「大腸がん」の「初期症状」とは? 予防のコツを専門医に聞いてみた】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。