「糖尿病」と診断されたらどうしたらいい? 一度かかったら一生治らない? 対処法を医師が解説!

糖尿病は一度発症すると完治は難しいですが、適切な対処で健康を保つことが可能です。特に合併症は失明や透析、命に関わるリスクを伴うため、進行させないよう注意が必要です。今回は、糖尿病の対処法や注意点について「あおやま睡眠・内分泌クリニック」の和合先生に解説していただきました。
編集部
糖尿病と診断されたら、どうしたらいいですか?
和合先生
まずは血糖をコントロールすることが重要です。血糖値が適切にコントロールされていれば、合併症の発症や進行を遅らせることができます。また、食事療法や運動療法について専門家から指導を受け、日々実践していきましょう。糖尿病は基本的に、一度診断されると一生つき合っていくことになります。短距離走ではなくマラソンと同じで、コツコツ続けることがとても大事なのです。
編集部
一度診断されると、治ることはないのですか?
和合先生
基本的にはそうですね。糖尿病と診断された時点で、膵臓の機能がかなり落ちていると言われています。ごく初期の段階で気がつき、しっかりとした管理を続けることで薬などを使わずに一生を過ごせるという人もいらっしゃいますが、実際は稀なケースだと思います。薬の服用についても、病気を治すものではなく、あくまで症状などをコントロールするのが目的だと考えていただきたいです。
編集部
ほかには、どんなことに注意したらいいでしょうか?
和合先生
ご自身の病気についてきちんと知り、管理や検査、観察を怠らないことです。いずれの合併症も、症状がない時から定期的に通院して眼科検査や腎機能検査を受けてください。また、糖尿病と診断されていなくても、健康診断や人間ドックで定期的にチェックを受けていただきたいです。とくに、「ヘモグロビンa1c」は重要な検査項目です。血管障害や神経障害になると体の末梢の感覚が鈍ってしまうので、とくに足部の観察などは日常生活でも意識的におこなってほしいですね。傷や火傷はないか、血色や温かみはどうかなどを定期的にチェックしましょう。
編集部
あらためて、どのように糖尿病と向き合えばいいですか?
和合先生
糖尿病は血糖値が高くなるだけの疾患ではなく、合併症が進行すると失明や透析、切断、さらには脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる状況にもなり得ます。がんよりも発症する可能性が高いので、「薬があるから」と甘く見ずに、糖尿病とつき合っていただきたいです。病気についての正しい知識があれば、対策することはできます。糖尿病や糖尿病疑いの人、健康診断でヘモグロビンa1cの値を指摘された人などは、まずはお近くの糖尿病内科や生活習慣病内科に相談してみましょう。

監修医師:
和合 健彦(あおやま睡眠・内分泌クリニック)
※この記事はMedical DOCにて【「糖尿病」を放置するリスクはご存じですか? 危険な合併症や治療法も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。