【インフルエンザ・コロナ】長引く咳の対処法はご存じですか? 予防法も医師が解説

長引く咳の治療は、原因となる疾患に応じて行われます。そして、咳が2~3週間以上続く場合は、早めに呼吸器内科の専門医を受診することが重要です。今回は、長引く咳の対処法と予防法について「浦賀メディカルクリニック」の柿沼先生に解説していただきました。
編集部
咳が止まらない場合、病院ではどのように治療するのですか?
柿沼先生
疾患によって異なります。咳喘息の場合には、吸入のステロイド、気管支拡張剤などを使います。また、喘息と副鼻腔炎を併発していることも多く、その場合には喘息だけでなく鼻の治療も必要になります。
編集部
原因となっている疾患を治療することが必要なのですね。
柿沼先生
はい、そのため咳が止まらない場合には胃食道逆流症など併存疾患があるかを確認し、必要があればそれらの治療を行います。
編集部
感染症などが原因の場合はどのように治療しますか?
柿沼先生
インフルエンザや肺炎など感染症が原因で咳が止まらない場合には、原因となる病原体を特定し、咳止めや去痰薬などと併用して抗菌薬や抗ウイルス薬などを使います。そのほか、咳を誘発する原因が分かっているものはそれを取り除き、それぞれの疾患にあった治療薬を使います。
編集部
咳を予防することもできるのですか?
柿沼先生
特に患者さんが多い咳喘息の場合には、インフルエンザや風邪などにかからないようにすることが大事です。またストレスを溜めない、しっかり睡眠時間を確保するなど日常生活にも気をつけましょう。
編集部
そのほかの予防法はありますか?
柿沼先生
感染症予防のためには、インフルエンザや肺炎球菌ワクチン、コロナワクチンなどの予防接種を受けておくことも役立つかもしれません。感染症の流行期はマスクをつけるほか、咳を発症する要因となるため、喫煙などの生活習慣を改善することも大切です。
編集部
あらためて、どのように長引く咳と向き合えばいいですか?
柿沼先生
咳が原因で命にリスクが及ぶということはありませんが、咳が原因で肋骨が折れるなど生活の質を落とすことは珍しくありません。咳が長引く場合の診断は意外と厄介で、そうした症状に慣れた医師でなければ治癒が難しいという場合もあります。咳が2~3週間くらい続いている場合には呼吸器内科の専門医を早急に受診してください。咳が長引くほど治療が難しくなることもあれば、難治性の疾患の可能性もあります。困っていることがあれば、早めに専門医にご相談ください。

監修医師:
柿沼 一隆(浦賀メディカルクリニック)
※この記事はMedical DOCにて【電車の中で急に咳が止まらない…長引く咳の原因・対策・治療法は?【医師解説】】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。