40代以上の女性必見! 「ばね指」の2つの治療法を医師が解説! 場合によっては手術も?
「ばね指」の2つの治療法はご存じですか? 今回は、40代以上の女性に多いばね指の対処法について、「よこやま整形外科 手とリウマチクリニック」の横山先生に解説していただきました。
監修医師:
横山 光輝(よこやま整形外科 手とリウマチクリニック)
編集部
ばね指には、どのような治療法があるのですか?
横山先生
大きく分けると、「保存療法」と「手術療法」があります。基本的に、まずは保存療法で様子を見ますが、症状の種類や程度などによっては手術療法が検討されます。
編集部
保存療法では何をするのでしょうか?
横山先生
手指を安静にしながら、適度な手指のストレッチをおこないます。自分でできない人やストレッチ以上の介入が必要とされる人は、医療機関でリハビリを受けて、手指の運動やストレッチ指導などを実施したり、なかなか痛みが取れない場合には、ステロイド注射をおこなったりします。
編集部
ばね指は保存療法だけで治るのですか?
横山先生
腱鞘の狭窄がひどくない場合は、注射によって完全に治ることもあります。ただし、ステロイド注射は炎症を抑える代わりに、腱の組織を傷めてしまいます。そのため、腱鞘への注射は最小限にとどめるようにしなければなりません。
編集部
一方で、手術療法が検討されるのは、どのようなケースですか?
横山先生
大きく分けると2つのケースがあります。1つは「引っ掛かりが強く、指を伸ばすときの痛みがひどくなったとき」です。炎症というのは周りの組織にも広がるので、最初は腱鞘だけだった炎症が、周りの関節の「変形性関節症(ブシャール結節)」を引き起こす可能性があります。そのため、ばね指なのに関節痛が強い場合、早期の手術を推奨します。
編集部
もう1つは?
横山先生
「第二関節(PIP関節)が硬くなって動きが鈍くなったとき」です。指が完全に伸ばせなくなったり、曲げてもしっかりと曲がらなくなったりした状態のまま過ごしていると、だんだん関節自体が硬くなってしまい、関節周りの組織が硬くなって自分の力では動かせなくなる「拘縮(こうしゅく)」という状態となります。そうなると、腱鞘を開く手術をおこなっても、手術後に関節をほぐすリハビリが必要となり、時間がかかります。痛みや引っ掛かりを避けて動かさずにいたら、徐々に関節自体が固まってきた場合は、早めに手術を検討します。
※この記事はMedical DOCにて【40代以上の女性必見! 「ばね指」の原因・なりやすい人の特徴・治療法を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。