「脳ドックの費用」はどのくらいかかる? 医療機関の選び方のポイントを医師が解説
会社に勤めている方の多くは、毎年健康診断を受けている方が多いでしょう。しかし、健康診断とは別に自費で検査を受けるとなると、気になるのは「費用」だと思います。そこで今回は、脳ドックを受けるとどのくらいの費用がかかるのか、「上田クリニック」の上田先生に解説していただきました。
監修医師:
上田 啓太(上田クリニック)
編集部
では、それぞれの費用の目安を教えてください。
上田先生
例えば当院の場合、「シンプル脳ドック」という脳MRIと脳MRAの検査をおこなうコースが2万2000円、「スタンダード脳ドック」という脳MRIと脳MRAの検査に加えて、頸動脈エコー検査をおこなうコースが2万5000円となっています。脳外科医による結果の説明まで受診当日におこなうのですが、医療機関や検査内容によっては1泊入院が必要な脳ドックもあり、その場合はさらに数万円の費用が上乗せされます。
編集部
自費診療ということもあり、けっこう費用がかかるのですね。
上田先生
そうですね。しかし、お勤めの企業やお住まいの地域によっては、健康保険組合や自治体からの補助金が受けられる場合があります。また、加入している生命保険や医療保険などによっても、補助金があったり、提携医療機関で受診した場合は割引が適応されたりする制度もあります。ぜひ調べてみてください。
編集部
脳ドックを受ける際、医療機関を選ぶポイントなどはありますか?
上田先生
脳ドックの目的は「早期発見・早期治療」です。検査だけ受けて後日結果が郵送されてくるタイプの脳ドックは、心配な所見がなかった場合は問題ないのですが、例えば「異常あり」「要・精密検査」と出た場合、不安な気持ちを抱えながら、ご自身で専門の医療機関を探して、予約をとらなければなりません。そういった事態を避けるためにも、脳の専門医が在籍している医療機関で脳ドックを受け、結果の説明は書面ではなく口頭でしっかりと聞くことをおすすめします。「わからないことや不安なことはその場で質問できる」「何か心配な所見が見つかった場合、速やかに対応してもらえる」といった環境で受けるのが大事です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
上田先生
繰り返しになりますが、脳ドックは一般の健康診断とは違うので、専門の医療機関で受けるのを推奨します。仕事で忙しい人などは、「安価で簡便に受けられて、結果は郵送」という脳ドックを好まれるかもしれません。異常がなければいいのですが、異常があった際にすぐ対応できません。そのため、脳外科医のいる医療機関で検査し、医師から直接、結果の説明を受けましょう。早期発見・早期治療が肝心なので、ぜひ一度ご自身の脳や血管の様子を脳ドックでチェックしてみてください。
※この記事はMedical DOCにて【「脳ドック」は40歳から? 毎年受ける? 医師が推奨年齢や受診頻度を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。