「ドライアイのセルフケア方法」を医師に聞く 放置すると「眼精疲労」により様々な症状が…
文字通り、目の乾きが生じる「ドライアイ」。スマホやパソコンなどに触れることの多い現代では多くの方が悩まれていることでしょう。このドライアイですが、「眼精疲労」と深い関係があることをご存知でしょうか。今回はドライアイのセルフケア方法と放置するリスクについて、道玄坂糸井眼科医院の糸井先生に伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【眼精疲労の症状と目の疲れ対策を眼科医が解説 頭痛や吐き気・めまいの対処法にもなる】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
糸井 素純(道玄坂糸井眼科医院)
編集部
眼精疲労とあわせて、ドライアイの症状が起きることがあります。これはなぜですか?
糸井先生
ドライアイが原因で、眼精疲労になることが多いのです。研究によると、疲れ目を訴える人の実に6割がドライアイといわれています。パソコンのモニターやスマホの画面を長時間見続けると、自然とまばたきの回数が減って、涙が減少します。涙には目の表面を守る働きもありますが、涙が減ると角膜の不正乱視をまねき、視力が悪化し、外界からの刺激にも敏感になります。そのため、眼精疲労が起きやすくなるのです。
編集部
ドライアイを緩和するにはどうしたら良いのでしょうか?
糸井先生
眼科では、まぶたの裏や粘膜を覆う成分ムチンと水分の分泌を促進する「ジクアホソルナトリウム点眼液」や、炎症を抑えながらムチンの産生を促進させる「レバミピド点眼液」、涙の量を保持する「ヒアルロン酸ナトリウム点眼液」を処方します。医師の指示に従い、それらを使用してみてください。
編集部
ほかに、セルフケアするにはどうしたら良いでしょうか?
糸井先生
部屋の湿度が低かったり、風が直接目に当たったりする環境だと、ドライアイの症状が出やすくなります。それから、コンタクトレンズが汚れていると、ドライアイの症状が悪化しますのでレンズケアに気をつけましょう。コンタクトレンズではなく、メガネを使うのも有効です。
編集部
そのほか、眼精疲労の原因として気をつけた方が良いことはありますか?
糸井先生
緑内障や白内障が原因となって、眼精疲労の症状を引き起こしていることもあります。放置すると、さらに症状が進むこともあります。この場合には眼科での治療が必要になりますから、早めに受診すると良いでしょう。
編集部
最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。
糸井先生
眼精疲労を訴えてくる患者さんの多くは、スマホやタブレットなどの作業をしているとき、度数の合っていないメガネやコンタクトレンズを使っています。メガネやコンタクトレンズの度数は、作業内容や生活環境に合わせて変えるべきで、常時、同じものが適しているわけではありません。作業距離にあったメガネや生活環境に合ったコンタクトレンズを使うことで、眼精疲労の症状をかなり軽減することができます。もし、それでも眼精疲労の症状が改善しなかったら、積極的に眼科に相談して、ほかの病気がないか、確認してもらうことをお勧めします。また、メガネやコンタクトレンズの度数が適正かどうか、3か月〜半年に一度は眼科を受診し、確認してもらいましょう。