日本人の死因・第4位「脳卒中」 死亡者は減っているが発症者は増えているってどういうこと!?
日本人の死因・第4位の「脳卒中」、死亡者数は減っているが発症者は増えていることはご存じですか? 今回は、日本における脳卒中の現状について、「上田クリニック」の上田先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【日本人の死因第4位「脳卒中」ってどんな病気? 医師が原因や予防法を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
上田 啓太(上田クリニック)
編集部
脳卒中は日本人の死因として、上位なのですか?
上田先生
脳卒中はかつて、日本人の死因の1位を占めていました。しかし、血圧管理などの基礎疾患治療、MRI検査やCT検査などによる早期発見、血管内カテーテル治療などの外科的治療、内服薬の適切な使用による治療の発展のおかげで、年々、死亡者数は減少傾向にあります。現在は、日本人の死因の第4位となっています。
編集部
減ってきているのですね。
上田先生
そうですね。ただし、減少しているのはあくまでも「死亡者数」であり、脳卒中の発症が減っているわけではありません。例えば、脳梗塞の発症に関しては、食生活の変化や高齢化社会に伴い、現在も横ばいからやや上昇傾向にあります。
編集部
なるほど。脳卒中を発症する人は減っていないのですね。
上田先生
はい。死亡者は少なくなったのですが、その分、脳梗塞後遺症を抱える人が増えています。要介護者についての内閣府の調査では、介護が必要になった主な原因として、脳血管障害(脳卒中)が17.2%で最も多いという結果が出ています。とくに男性での割合が多く、26.2%です。介護を受けている男性の4人に1人が、脳卒中が原因ということになります。さらに、後遺症の内容も「身体のどちらか半分が動かない」「言葉がわからない」「食事が食べられない」などの重篤なケースが多く、介護者・要介護者双方の負担となっています。