女性が「クラミジア」にかかると妊娠が難しいって本当? 卵管因子の不妊症とは?
不妊症の原因が女性にある場合に考えられる、卵管に原因がある「卵管因子」。卵管が炎症などを起こしてつまっているために、妊娠ができないというもの。そのつまりの原因にクラミジア感染症がなってしまっていることが多いと「はらメディカルクリニック」の宮﨑先生は言います。詳しく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【不妊症になりやすい人の特徴や原因を婦人科医に直撃 検査や受診の目安を知って「もしかして」に備える】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
宮﨑 薫(はらメディカルクリニック)
編集部
そもそも不妊症とは、どのように定義されるのですか?
宮﨑先生
一般に、妊娠を望んでいる健康な男女が1年以上、避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないことを不妊症といいます。
編集部
不妊症の原因はなんですか?
宮﨑先生
大きく分けて、「男性に原因がある場合」と「女性に原因がある場合」、または「男女両方に原因がある場合」があります。たとえば女性の原因として多いものに、排卵が起こらない「排卵因子」や、卵管に原因がある「卵管因子」があります。
編集部
卵管因子とはどういうものですか?
宮﨑先生
卵管とは精子が卵子へ向かうとき、また、受精した卵が子宮に到達するまでに通る道のこと。この卵管が炎症などによってつまっていると、妊娠できません。卵管のつまりの原因として多いのがクラミジア感染症です。これにかかると卵管の閉塞や卵管周囲の癒着が起き、妊娠が難しくなってしまいます。しかし、クラミジア感染症にかかっても自覚症状がないことが多いので、放置してしまいがち。そのため、気づかないうちに不妊症になっていることも少なくありません。
編集部
一方、男性が原因の不妊症にはどのようなものがあるのですか?
宮﨑先生
たとえば造精機能障害といって、精巣での精子が作られるとき、あるいは精巣上体で成熟するときに異常があると、精子の数が少なくなったり動きが悪くなったりして、妊娠が難しくなります。まったく精子が見られない「無精子症」も、男性に原因がある不妊症のひとつです。