「膀胱炎」を予防するポイントは“トイレ”にあった! トイレでの注意点を医師が解説
尿道から細菌が入ることで発症する「膀胱炎」。港南台かわかみ泌尿器科クリニックの川上先生によると「予防にはトイレが重要」とのこと。その理由について詳しく伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【治らない「膀胱炎」の原因・対策を医師が解説 抗生物質・抗菌薬を飲んでも繰り返すのはなぜ?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
川上 稔史(港南台かわかみ泌尿器科クリニック)
編集部
膀胱炎の再発を予防するには、どうしたらいいのでしょうか?
川上先生
まずは、トイレを我慢しないようにしましょう。そのために、十分な水分補給をおこなって、尿と一緒に細菌を体外へ排泄することが大事です。体格や日中の活動量にもよるので一概には言えませんが、「1日1500mlの水分を摂取すると、再発性の膀胱炎の頻度を50%減らせる」というデータもありますから、1つの目安にしてみてください。
編集部
そのほかに、気をつけることはありますか?
川上先生
排尿や排便後にトイレットペーパーで拭く際に「後から前へ」拭くと、肛門周囲の細菌が尿道に触れることになります。そのため、日頃から「前から後へ」拭く習慣をつけましょう。なお、必要以上に強く拭いてしまう人もいますが、軽く拭う程度で問題ありません。
編集部
トイレでも要注意ですね。
川上先生
そうですね。それから、清潔に保とうとするあまりに、小便後にビデやウォシュレットを使う人も多いと思います。しかし、これがかえって細菌を体内へ招き入れてしまう原因となることもあります。本来、尿は無菌なので小便後の洗浄は必要なく、大便時はお尻だけを水圧を弱くして当てることを意識しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
川上先生
膀胱炎は繰り返しやすいと言われていますが、繰り返すには必ず何らかの原因があります。もしかしたら、重大な疾患が隠れているかもしれませんから、必ず泌尿器科で検査を受けるようにしましょう。とくに女性にとって、泌尿器科の受診はハードルが高いかもしれませんが、最近では女性専用外来や女性専用の待合室を設けている病院もあります。膀胱炎を放置すると大きな病気にもなりかねないので、違和感を覚えたら受診するようにしましょう。