【危険】糖尿病患者は自己流の糖質制限をしないで! 間違った方法で招くリスクとは?
糖尿病と診断されたら、「糖質を摂らないほうがいいのかな」と考えて独自の糖質制限をするのは危険のようです。具体的な糖質制限のリスクについて、医師の山村先生にお聞きしました。
監修医師:
山村 聡(Clinic Le GINZA 銀座有楽町内科)
編集部
糖尿病を治療するには糖質制限が良いと聞きますが、本当ですか?
山村先生
糖尿病の患者さんにとって、血糖値を乱高下させず、安定した状態に保つことは必要です。そのために糖質制限は非常に有用な手段となりますが、一方で、日本糖尿病学会からも見解が出されているとおり、長期間糖質制限をした場合、身体にどのような影響が出るのかについては、まだ科学的根拠が確立されていません。そのため、「糖尿病や予備軍の人にはあまり糖質制限をお勧めしない」という医師も少なくありません。
編集部
結局、糖尿病患者は糖質制限をしない方が良いということですか?
山村先生
これまでお菓子やご飯、パンなどを大量に摂取していた場合には、摂取量を控えることは必要です。しかし、過剰なまでに摂取量を制限するのはかえって危険なこともあります。
編集部
なぜ、危険なのですか?
山村先生
たとえば、「一切糖質を摂取しない」という食事を続けると、エネルギー代謝が低下し、筋肉量が落ちてしまいます。筋肉量が落ちればますますエネルギー代謝が低下してしまいますから、太りやすい体質になってしまいます。つまり、せっかくダイエットで体重を落としても、リバウンドしやすくなってしまうのです。
編集部
糖質を完全に摂らないというのも良くないのですね。
山村先生
どれくらい糖質を制限できるかは個人差が大きいので一概には言えませんが、本来、糖質は人間の生命活動においてとても大切なものです。なかには、一切糖質を摂取せず低血糖の状態になり、頭がぼーっとしたり、ふらふらしたり、ひどい場合には意識障害を起こしたりする人もいます。このように、自己流で糖質制限を行うことは非常に危険です。行う場合は必ず医師の指導を受けるようにしましょう。