今さら聞けない「免疫」の役割 種類やメカニズムも医師が解説!
感染症が流行して以降、「免疫」という言葉を目にすることが増えました。 今回は、免疫の役割やメカニズムについて「瀬田クリニック東京」の後藤先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【免疫力を高めるにはどうしたらいい? 医師が免疫機能を上げる食事や生活習慣を紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
後藤 重則(瀬田クリニック東京)
編集部
そもそも、免疫力とはなんですか?
後藤先生
サイエンスでの定義は非自己、つまり「異物を排除するシステム」ということになります。もう少しわかりやすく言うと、免疫力の「疫」とは病気のことです。つまり、免疫力とは「病気」を「免れる」ために必要な力のことを言います。いわば、免疫は体にもともと備わっている自己防衛システムのことです。
編集部
免疫の仕組みについて教えてください。
後藤先生
人間に備わっている免疫のシステムは、体内に侵入した病原菌や誤って体内で作られてしまったがん細胞をはじめとする異常な細胞を常に監視し、撃退する役割を担っています。免疫機能は2段構えで成り立っていて、「自然免疫」と「獲得免疫」にわけられます。
編集部
それぞれの役割を教えてください。
後藤先生
まず、体内に病原体が侵入したとき、最初に働くのが「自然免疫」です。侵入した病原体に対して、いち早く反応して攻撃を仕掛けます。この自然免疫が病原体を攻撃して排除すると、自然免疫は病原体の情報を「獲得免疫」に伝えます。獲得免疫は、その病原体に対して専用の部隊を結成し、強力な抗体などを作って攻撃します。そして、一度侵入してきた病原体の情報を記憶します。そのため、再び病原体が体内へ侵入しようとしたとき、素早く排除できるようになるのです。