「肝斑」の治療法を医師が解説! 「ポイントは治療とセルフケアの二刀流」
「肝斑」を治すのに医療機関を頼るのはもちろん有効ですが、それと同時にセルフケアにも力を入れることが重要です。今回は肝斑の治療について「NIメディカルクリニック」の中野先生に解説していただきました。
監修医師:
中野 希(NIメディカルクリニック)
編集部
肝斑は美容皮膚科などの医療機関を受診した方が改善できますか?
中野先生
そうですね。肝斑の原因である「メラニン細胞の不安定性」と「肌への刺激」を取り除きながら、医療機関での治療もおこなっていくと、かなり薄くなることが期待できます。
編集部
具体的に、どのような治療をするのですか?
中野先生
内服薬、外用薬、ドクターズコスメ、シルファーム、トーニングなどの選択肢があります。内服薬だとトラネキサム酸、外用薬だと、メラニンの合成を抑えるハイドロキノンや、ビタミンA(レチノール)の誘導体であるトレチノインなどを処方します。
編集部
トラネキサム酸とはなんですか?
中野先生
トラネキサム酸は、人工合成されたアミノ酸の一種です。喉の止血や炎症を抑えるときに使う薬なのですが、メラニン色素細胞を活性化させる「プラスミン」の働きを阻害する作用があるため、肝斑の改善に有用だとされています。最近はサプリメントも出ていますね。ちなみに、「トラネキサム酸を飲み続けるとどうなるの?」というご質問をいただくことも多いのですが、基本的には飲み続けても問題がないケースがほとんどです。ただし、心筋梗塞や脳梗塞などの持病のある人などには、血を止めやすくしてしまう作用もあるため、おすすめしていません。
編集部
改めて、肝斑とどのように向き合えばいいですか?
中野先生
肝斑は医療機関の治療も有効ですが、それだけでは不十分で、ご自宅でのセルフケアが大事になってきます。いくつかに分類されるシミの中でも、毎日のご自身のケアに左右されるのが肝斑です。何十年もかけてできたものが多いため、治るのにも時間がかかることが多いですが、ケアすれば改善するので続けていただきたいと思います。そのうえで、画像診断や写真などで肝斑が悪化していないか、改善しているかの効果を確認しながら治療してくれる医療機関へ受診するのがおすすめです。