がん温熱療法「ハイパーサーミア」で大切なのは「標準治療との連携」。その理由を医師に聞く
相武台脳神経外科の加藤先生によると「ハイパーサーミアを始める際は主治医に伝えることが大切」とのことです。主治医の先生からこれまでの検査結果や経緯などの情報提供していただくことでスムーズに治療を進めることができるといいます。詳しく話しを伺いました。
監修医師:
加藤 貴弘(相武台脳神経外科)
編集部
ハイパーサーミアを受けるときの流れについて教えてください。
加藤先生
わかりました。ここからは当院のケースでご説明しますね。まずはお問合わせいただき、診察の予約をお願いします。その際、患者さんの年齢、がんの部位、ステージ、簡単な経過、現在おこなっている治療などを事前にお聞きすることがあります。
編集部
治療の前に診察が必要なのですね。
加藤先生
はい。診察で問診をして、病気の経過や体調を確認します。その際、CTやMRI、採血の検査結果など、経過についてわかるデータがあれば、お持ちいただけるとスムーズに進めることができるので助かります。
編集部
主治医の先生には、ハイパーサーミアを始めることを伝えた方がいいですか?
加藤先生
できれば、お話しすることをおすすめします。私の意見ですが、あくまでもがん治療は「手術」「抗がん剤」「放射線治療」が軸であるべきです。そして、主治医の先生と協力してがん治療に臨みたいと考えています。そのため、ハイパーサーミアを始める前に、まずは主治医の先生に相談することを推奨しています。主治医の先生から、これまでの検査結果や経緯などの情報提供していただけることもありますし、それがあれば円滑に治療を進めることができます。
編集部
ハイパーサーミアの治療当日、どのような流れで進むのですか?
加藤先生
治療を開始する当日にもう一度診察を受けていただき、ハイパーサーミアが適応可能と判断できたら治療へ進みます。治療時間はだいたい40分から1時間で、音楽を聴いてリラックスしながら受けることができます。また、看護師やスタッフが同室しているので、何か困ったことがあったり異変を感じたりしたら、すぐにお知らせください。
編集部
治療は何回、おこなわれるのですか?
加藤先生
当院の場合、保険適用になるのは2カ月の間に8回までです。さらに回数を追加したい場合は、自由診療となります。ただし、医療機関によって1クールの期間や回数が異なるので、事前に費用や期間などを確認しておきましょう。