「ストレスでワキガになる」って本当? 嫌な汗とは言うけども…【医師解説】
ストレスでワキガになることはないと教えてくれたのは佐々木英悟先生(市川ひふ科形成外科クリニック院長)。ワキガの原因はアポクリン汗腺の多さによるものであり、ストレス下などでかく汗はそれとは別物なのだそうです。詳しく解説してもらいました。
監修医師:
佐々木 英悟(市川ひふ科形成外科クリニック)
編集部
「ストレスでワキガになる」という話を聞いたことがあるのですが、あり得るのでしょうか?
佐々木先生
結論から言えば、そんなことはありません。ワキガの原因はアポクリン汗腺の多さです。たしかに、精神的な影響から脇の下がじんわりと汗ばむことがありますが、こうしたケースの汗はアポクリン汗腺ではなくエクリン汗腺から出ています。アポクリン汗腺から出る汗ではないので、ワキガにはならないのです。
編集部
「ストレスでワキガになる」という話は間違っていたのですね。
佐々木先生
そうです。ストレスによって動悸がしたり、汗をかいたりするのは交感神経の働きによるものです。エクリン汗腺は交感神経に反応しても、アポクリン汗腺は反応しません。そのため、ストレスでワキガになるということは、実際起こらないと考えていいでしょう。
編集部
そんな疑問を抱くのもワキガに悩んでいるからこそなのだと思います。読者へのメッセージをお願いします。
佐々木先生
「ワキガだからあまり人に近づけない」、「多汗症だからあまり人前に立ちたくない」などのお悩みを抱えている人も少なくありません。しかし、ワキガや多汗症は、しっかりと治療をすれば改善することができます。以前は手術などのハードルの高い治療が主流でしたが、現在はメスを使わない手術もありますし、マイクロ波を当てる治療や注射、塗り薬など、様々な選択肢があります。そして、効果の高い治療を一度おこなえば、半永久的に悩みから解放されます。ワキガや多汗症でお悩みの人は、ぜひカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。