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ワキガの「予防」が難しい理由を医師が解説 ワキガにはどんな治療法がある?

 更新日:2024/01/12

ワキガになる理由には遺伝的な原因も大きいため、予防はなかなか難しいそうです。日常生活でワキガの匂いに悩まされないためには、治療が選択肢になりそうです。ワキガ治療について「市川ひふ科形成外科クリニック」の佐々木先生に教えてもらいました。

佐々木 英悟

監修医師
佐々木 英悟(市川ひふ科形成外科クリニック)

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昭和大学医学部卒業。その後、昭和大学形成外科学教室入局、昭和大学大学院医学研究科入学。2016年、千葉県市川市に「市川ひふ科形成外科クリニック」を開院。美容に特化した形成外科診療の経験を活かして、整容面を考慮した皮膚科形成外科の保険診療や、より満足度の高い美容診療をおこなっている。医学博士。日本形成外科学会専門医。

編集部編集部

ワキガとはどういう状態なのですか?

佐々木先生佐々木先生

人間の汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2つがあります。エクリン汗腺から出る汗は、ほとんど水で構成されているので、匂いがありません。しかし、アポクリン汗腺から出る汗は脂肪酸や尿素、アンモニアなどを含んでいて、それらが皮膚の常在菌で分解され、酸化することによってワキガ特有の匂いを引き起こすのです。ワキガになる人は、そうでない人に比べてアポクリン汗腺の数が多く、それは遺伝的体質によるものと考えられています。

編集部編集部

つまり、「予防」のような考え方は馴染まないということですか?

佐々木先生佐々木先生

そういうことになります。ワキガの原因は、アポクリン汗腺が多いという遺伝的な1つの要素です。そのため、ご自身で予防することはなかなか難しいでしょう。

編集部編集部

アポクリン汗腺が多いという遺伝的体質があれば、子どもでもワキガになるということですか?

佐々木先生佐々木先生

幼い頃はアポクリン汗腺がまだ発達していないので、ワキガはありません。しかし、早ければ小学校の中学年になると、アポクリン汗腺が発達してきます。もし、アポクリン汗腺が多いという遺伝的体質があれば、その頃からワキガが起こることも考えられます。

編集部編集部

そうなると、「自分ではワキガを予防することができない」ということですか?

佐々木先生佐々木先生

そうですね。もちろん、汗をかいた後はこまめに拭くといった脇の下を蒸れないようにする工夫は大切かもしれません。ただし、それよりもワキガの場合は、予防というより治療による対策を考えた方がいい印象です。

編集部編集部

ワキガの治療法として、どのようなものがありますか?

佐々木先生佐々木先生

ボトックス注射をすることで、発汗に作用する神経をブロックして汗を出にくくすることもできます。また、重度の場合は手術によって汗腺を除去したり、マイクロ波を当てて汗腺を完全に破壊したりします。ワキガの悩みから半永久的に解放されます。なお、市販品の制汗剤や消臭スプレーの使用は根本解決にはならないものの、軽症のワキガであれば匂いが気にならなくなるでしょう。

編集部編集部

匂いの程度で取るべき方法が違いそうですね。

佐々木先生佐々木先生

はい。クリニックによって対応している治療も異なりますし、その人の状態やワキガの強度によっても方法は変わります。例えば、軽度のワキガであれば制汗剤や消臭スプレーでなんとかなるかもしれませんし、多汗症とワキガの両方に悩んでいる場合は、発汗の作用そのものを鈍らせるボトックス注射を選択することがあります。

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