ワキガになる人・ならない人の違いは「遺伝」の要素が大きいって本当?【医師解答】
ワキガになる要因はいくつかあるものの、中でも遺伝が占めるところは大きいと語るのは「市川ひふ科形成外科クリニック」の佐々木先生。また、たくさん汗をかく人が、必ずしもワキガになりやすいとは限らないそうです。詳しく教えてもらいました。
監修医師:
佐々木 英悟(市川ひふ科形成外科クリニック)
編集部
ワキガになる人とならない人がいると聞きました。
佐々木先生
はい。いくつかありますが、そのなかでも大きな要因になるのが「遺伝」です。ワキガは遺伝的要素が強く、親族にワキガの人がいる場合は、とくに高い確率でワキガになることが判明しています。
編集部
「遺伝でワキガになる」というのはどういうことですか?
佐々木先生
そもそも、人間の汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2つがあります。エクリン汗腺から出る汗は、ほとんど水で構成されているので、匂いがありません。しかし、アポクリン汗腺から出る汗は脂肪酸や尿素、アンモニアなどを含んでいて、それらが皮膚の常在菌で分解され、酸化することによってワキガ特有の匂いを引き起こすのです。ワキガになる人は、そうでない人に比べてアポクリン汗腺の数が多く、それは遺伝的体質によるものと考えられています。
編集部
たくさん汗をかく人もワキガになりやすい印象があります。
佐々木先生
必ずしもそういうわけではありません。汗がたくさん出ることを「多汗症」というのですが、ワキガと混同している人もいます。しかし、両者は別物で、たくさん汗をかくからといって、ワキガになりやすいわけではありません。あくまでも、「ワキガになりやすい」というのは、「アポクリン汗腺がたくさんある」ということが前提なのです。