【糖尿病の基礎知識②】“1型糖尿病”と“2型糖尿病”の違い
日本をはじめ、世界中で患者数が増加している“糖尿病”。漠然と「糖尿病は怖い」というイメージを持っているかもしれませんが、具体的にどのような病気かご存知でしょうか? 糖尿病の基礎知識について「日暮里内科・糖尿病内科クリニック」の竹村先生に学ぶ特集の第2回。
今回は「“1型糖尿病”と“2型糖尿病”の違い」について解説していただきました。
監修医師:
竹村 俊輔(日暮里内科・糖尿病内科クリニック)
編集部
どうしてインスリンが働かなくなってしまうのですか?
竹村先生
その前に、糖尿病のタイプについてお話ししておきましょう。実は、糖尿病には2つのタイプがあります。一つ目は「1型糖尿病」。これはなんらかの原因により膵臓の機能が破壊され、インスリンを作ることができなくなってしまうタイプの糖尿病です。
二つ目は「2型糖尿病」。これは遺伝的要因のほかに、環境因子として、過食、肥満、ストレス、運動不足などが原因となり、インスリンが働かなくなってしまいます。
編集部
なぜ、肥満や運動不足などが原因で糖尿病になるのですか?
竹村先生
血糖値の高い状態が続くと、膵臓はインスリンを過剰に分泌することになります。そのため、膵臓が疲弊し、インスリンの分泌が低下してしまうからです。また、肥満になると内臓脂肪が増えます。研究により、内臓脂肪が増えるとインスリンの働きが悪くなることがわかっており、そのため、糖尿病になりやすくなるのです。
編集部
1型と2型では、どちらのタイプが多いのですか?
竹村先生
編集部
日本では、どれくらい糖尿病患者がいるのですか?
竹村先生
※国立国際医療研究センター 糖尿病研究センター「糖尿病に関する統計・調査と社会的な取組み」
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/010/010/04.html
編集部
糖尿病といえば、肥満や運動不足に悩んでいる中高年の男性などがかかりやすいイメージがありますが……。
竹村先生
確かに一昔前まではそういったイメージがありましたが、最近では若い人たちや痩せている人にも、糖尿病患者は増えています。食事の欧米化や生活習慣の乱れ、間違ったダイエットなどのために血糖値が常に高い状態にあることが多く、また、運動不足のせいで体内の筋肉量が少なく、血液中のブドウ糖を消費することができなくなってしまうからです。