「眼底検査」で”要精密検査”は放置できない?疑われる4つの病気を医師が解説!

眼底検査で精密検査が必要と言われたらどうする?メディカルドック監修医が、要精査と判定された際の流れや、検査で発見できる代表的な疾患を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「眼底検査の費用」はいくらかかる?発見できる病気などを医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
栗原 大智(医師)
目次 -INDEX-
眼底検査とは?
眼底検査とは、眼の奥にある網膜や視神経、血管などの状態を詳しく観察するための検査です。網膜の異常や病気を早期に発見できるため、視力低下や失明のリスクを防ぐために重要な役割を果たします。特に、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、緑内障などの疾患は自覚症状が少ない場合も多く、定期的な検査によって早期に発見し、適切な治療を行うことが望まれます。また、眼底検査では眼科医が直接観察する方法と、眼底カメラなどを用いて眼の奥の画像を撮像する方法が主に行われます。どちらの方法を選択するかは、医療機関の設備や診察の目的によって異なります。
眼底検査で要精密検査と診断されたら?
眼底検査の結果で「要精密検査」と診断されると、不安を感じるかもしれません。しかし、すぐに重大な病気があるとは限らず、詳しく調べることで治療の必要性や進行の程度を確認することが目的となります。精密検査が必要とされた場合、まずは速やかに眼科を受診し、医師の指示に従いましょう。特に網膜剥離や急性の眼疾患が疑われる場合は、放置すると視力に影響を及ぼす可能性があるため、早めの対応が重要です。精密検査では、さらに詳細な眼底撮影、光干渉断層計(OCT)による網膜の断層解析、蛍光眼底造影検査(FA)などが行われることがあります。これにより、病気の有無や重症度がより正確に評価され、適切な治療を行うことができます。「要精密検査」と診断されても、早期に発見・対応すれば治療可能な疾患が多いため、必要以上に心配せず、医師の指示に従って適切な診療を受けることが大切です。
「眼底検査」で発見できる病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「眼底検査」に関する病気を紹介します。どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、糖尿病によって網膜の血管が損傷を受け、視力低下や失明のリスクを伴う疾患です。高血糖が続くと血管が詰まりやすくなり、網膜の酸素不足が進行すると、新生血管(異常な血管)が発生しやすくなります。これが原因で出血や網膜剥離を引き起こすことがあります。初期の段階では特別な治療は必要ないことが多いのですが、病気が進行するとレーザー治療や硝子体手術が必要となります。治療には血糖コントロールが重要で、食事療法や運動療法、内服薬やインスリン治療を適切に行うことで進行を抑えることができます。糖尿病と診断された時点で、眼科で定期的に眼底検査を受けることが推奨されており、視界のかすみや黒い影(飛蚊症)が増えた場合は、すぐに眼科を受診するようにしましょう。眼科を受診することが基本ですが、糖尿病の管理をしている場合は内科や糖尿病専門医と状態を共有するため、連携することも重要です。
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性は、網膜の中心部である黄斑が加齢によって変性し、視力が低下する病気です。黄斑は細かい文字を読んだり、色を識別したりするのに重要な役割を担っています。この病気には萎縮型(ゆっくり進行するタイプ)と滲出型(新生血管が発生し、急速に進行するタイプ)があり、特に滲出型は視力低下が急激に進むことがあるため注意が必要です。萎縮型には有効な治療法がないため、進行を抑えるためにルテインやゼアキサンチンを含むサプリメントが推奨されることがあります。一方、滲出型の場合は、抗VEGF療法(異常な新生血管の成長を抑える薬剤の硝子体注射)が主な治療法となります。レーザー治療が行われることもありますが、現在は抗VEGF療法が標準的な治療とされています。視界の中心がゆがんで見える、直線が曲がって見える、視野の一部が暗くなるといった症状が現れたら、できるだけ早く眼科を受診する必要があります。
緑内障
緑内障は、眼圧の上昇や視神経の障害によって視野が狭くなる病気であり、初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な検査が必要とされます。進行すると視野が狭くなり、最終的には失明する可能性もあります。特に日本人では、眼圧が正常範囲内でも発症する正常眼圧緑内障が多く、発見が遅れやすいことが特徴です。治療の基本は眼圧を下げることであり、点眼薬を継続的に使用して進行を抑えることが重要になります。薬物療法で十分な効果が得られない場合は、レーザー治療や手術(線維柱帯切開術、線維柱帯切除術など)が行われることもあります。視界の一部が見えにくい、視野の隅がぼやける、といった症状が出た場合は、早急に眼科を受診する必要があります。また、家族に緑内障の患者がいる場合は、40歳を過ぎたら定期的な眼底検査を受けることが推奨されています。
網膜静脈閉塞症
網膜静脈閉塞症は、網膜の静脈が詰まり、血液の流れが滞ることで出血や浮腫を引き起こす疾患です。動脈硬化や高血圧、糖尿病が主な原因とされ、高齢者に多く発症します。この病気には網膜中心静脈閉塞症(CRVO)と網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)の2種類があり、閉塞の範囲によって症状の重さが異なります。基本的な治療法は、抗VEGF療法による浮腫の抑制や、レーザー治療による血流改善が挙げられます。重症の場合は、硝子体手術が必要になることもあります。また、根本的な原因となる高血圧や糖尿病の管理も重要であり、生活習慣の見直しが再発防止に重要です。突然の視力低下や、片目の視界がかすむ、部分的に暗くなるといった症状が現れた場合は、できるだけ早く眼科を受診する必要があります。放置すると、さらに重篤な合併症(黄斑浮腫や新生血管緑内障)を引き起こすことがあるため注意が必要です。
「眼底検査の費用」についてよくある質問
ここまで眼底検査の費用について紹介しました。ここでは「眼底検査の費用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
眼底検査はどんな方が受診した方がいいですか?
栗原 大智 医師
眼底検査は、特に以下のような方が受診することをおすすめします。まず、糖尿病や高血圧といった生活習慣病をお持ちの方は、目にもその影響が出る恐れがあるため、定期的な検査が必要です。糖尿病網膜症や高血圧性網膜症は、進行すると視力が大きく下がるリスクもあるため、早期発見・早期治療が重要になります。また、40歳以上の方は、緑内障や加齢黄斑変性などの疾患が発症しやすくなるため、定期的な眼底検査を受けることが推奨されます。特に、家族に緑内障の方がいる場合は、遺伝的な要因も考えられるため、早めに検査をしておくと安心です。
さらに、視界がぼやける、歪んで見える、黒い虫やゴミ(飛蚊症)が増えたと感じる方 は、網膜剥離や加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などの可能性があるため、早急に眼科を受診するようにしましょう。特に、急激な視力低下や視野の一部が欠けるといった症状がある場合は、早めの検査・治療が必要な場合が多いです。
定期的な眼底検査は、目の健康を守るために非常に重要な検査ですので、気になる症状がある方はもちろん、年齢や基礎疾患に応じて検査を受けることをおすすめします。
まとめ 眼底検査の費用は保険適用で数百円から、自費なら数千円から
眼底検査の費用は、保険適用される場合は数百円から数千円程度で済むことが多く、自費診療の場合は10000〜20000円程度かかることがあります。費用は検査の種類や医療機関によって異なりますが、目の健康を維持するためには定期的な検査を受けることが重要です。
特に、糖尿病や高血圧などの生活習慣病をお持ちの方、40歳以上の方、視界がぼやける・歪んで見えるといった症状がある方は、眼科での検査を検討することをおすすめします。緑内障や糖尿病網膜症は自覚症状が少なく、進行するまで気づかないことも多いため、早期発見のためにも定期的な検査が重要です。
また、散瞳検査を行う場合は検査後しばらく視界がぼやけるため、運転ができなくなることに注意が必要です。眼底検査を受ける際は、事前に医療機関に問い合わせ、費用や検査の流れについて確認しておくと安心です。
目の病気は放置すると視力低下や失明につながる可能性もあります。費用が気になる方もいるかもしれませんが、早期発見・早期治療をすることで、結果的に治療費を抑え、生活の質を守ることができます。気になる症状がある場合は、早めに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
「眼底検査」の異常で考えられる病気
「眼底検査」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
眼底検査は、目の病気だけでなく、全身の健康状態を反映する重要な検査です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病による影響も確認できるため、定期的な受診が推奨されます。異常が見つかった場合は、早めに専門医の診察を受けることが大切です。
参考文献