「骨密度」を上げる可能性の高い「食べ物」はご存知ですか?医師が解説!

Medical DOC監修医が骨密度を上げる可能性の高い食べ物などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「骨密度を上げる」可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
骨密度とは?
骨密度とは、骨の強さを表す指標です。
骨を形成するカルシウム、リンなどのミネラル成分が骨にどれくらい詰まっているかを表しており、骨粗しょう症の診断基準に使われます。
骨は常に形成と破壊を繰り返して代謝を続けていますが、形成より破壊のペースが上回ることで、骨は次第に弱くなっていきます。
骨密度の数値の基準は、若年成人の骨密度の平均値です。
若年成人の具体的な年代は部位によって異なり、大腿骨で20歳~29歳、腰椎で20歳~44歳です。
この年代の平均値を100%として、80%以上であれば正常、70%~80%だと骨量減少、70%以下で骨粗しょう症と判定されます。
骨密度は男女ともに加齢に伴って減少することが確認されており、高齢者になるほど骨折しやすくなるのはこのためです。
骨密度は男性より女性の方で減少率が高い傾向にあります。
特に、女性の場合は20歳頃が骨密度のピークであり、以降は徐々に骨密度が減少していき、閉経を迎える50歳頃から減少が加速します。
骨密度を上げる可能性の高い食べ物
骨密度を保つために、重要なものはバランスの良い食事です。この中でも骨のもとになるカルシウムやカルシウムの吸収を促すビタミンD、カルシウムを骨にくっつけ、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制するビタミンKといった栄養素は非常に重要です。また、たんぱく質不足は骨密度の低下を悪化させます。これらの栄養素の豊富なおすすめの食材をご紹介します。
乳製品
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品はカルシウムを豊富に含んでおり、骨密度を維持するために有効な食品です。
魚
魚はカルシウムやたんぱく質のほか、カルシウムの吸収を促すビタミンDを豊富に含んでおり、骨の健康によい食べ物です。
魚肉の中でもサケ、イワシ、サンマなどはビタミンDを多く含むため、意識して摂取することをおすすめします。
緑黄色野菜
緑黄色野菜に多く含まれるビタミンKは、吸収されたカルシウムを骨に取り込む際の助けになります。
野菜の中でもモロヘイヤ、小松菜、ほうれん草、ブロッコリーはビタミンKの含有量が多い食材です。
日常的な範囲では摂取しすぎの心配もないため、他の食材と合わせて積極的に摂っていきましょう。
大豆製品
豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品はカルシウム、たんぱく質を含むほか、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含むため、破骨細胞の働きを緩やかにする効果が期待できます。
海藻類
わかめ、ひじき、昆布などの海藻類はカルシウムやビタミンKを多く含みます。
副菜として他の食材と合わせて摂りやすいため、バランスの良い食事のためにも積極的に摂取していきましょう。
「骨密度を上げるには」についてよくある質問
ここまで骨密度を上げる方法などについて紹介しました。ここでは「骨密度を上げるには」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
一度、低下した骨密度を回復させることはできますか?
伊藤 陽子(医師)
完全に元の状態に戻すことは難しいですが、改善することは可能です。適切な治療を受け、生活習慣を見直すことによって、骨密度の低下を食い止め、さらに改善することも期待できます。
骨密度はカルシウムの多い食事を摂れば上げることができますか?
伊藤 陽子(医師)
カルシウムは骨の主成分であり、骨密度を維持するために非常に重要な栄養素ですが、カルシウムだけを摂ればよいという単純な話ではありません。カルシウムのほか、ビタミンD、K、タンパク質、マグネシウムなどの栄養素もバランス良く摂取することに加え、適度な運動で骨に刺激を与え、骨の形成を促すことも必要です。
骨密度が低いままだとどの年代でも骨粗しょう症になる可能性がありますか?
伊藤 陽子(医師)
骨密度はどの年代であっても低い状態が続くと、骨粗しょう症になるリスクが高まります。適切な食生活、運動、生活習慣を意識し、骨の健康を維持して骨粗しょう症の予防に努めましょう。
運動習慣は骨密度が低い人の上昇に効果的ですか?
伊藤 陽子(医師)
運動は骨密度の改善に非常に有効な手段の一つです。しかし、運動の効果を最大限に引き出すためには、適切な運動の種類、強度、頻度を選ぶことが大切です。ご自身の状態に合った運動については専門家への相談をおすすめします。
編集部まとめ 骨密度を上げるにはバランスの良い生活!
年齢とともに骨密度の低下リスクは上がっていきますが、栄養や睡眠、運動の不足などの要因があると、より骨密度の低下を加速させる恐れがあります。
各種栄養素をバランスよく摂取し、適度な運動と十分な睡眠を心掛けることで、心身も骨も健康な状態を維持できます。
ぜひ、本記事を参考にしていただき、丈夫な骨を維持するようにしましょう。
「骨密度」で考えられる病気と特徴
「骨密度」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
血液内科の病気
骨密度の異常が見つかった場合は、必ず医師に相談し、適切な検査を受けて原因を特定することが大切です。