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「コレステロールが高い人が控えた方がいい食べもの」はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2024/08/05
「コレステロールが高い人が控えた方がいい食べもの」はご存知ですか?医師が解説!

コレステロールが高い人が食べてはいけないものとは?Medical DOC監修医がNG食品やコレステロールを下げる食べ物、病気リスク等を解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「コレステロールが高い人が控えた方がいい食べもの」はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

コレステロールとは?(悪玉LDL/善玉HDL)

コレステロールとは何ですか?体に悪いもの?と思う方も多いと思いますが、コレステロールは体の中に存在する脂質の一つです。脳や神経組織や肝臓などに存在しています。コレステロールは体の中でエネルギーとして利用されませんが、体の細胞膜の構成や脂質の消化吸収に必要であり、ホルモンやビタミンDの原料となります。体内のコレステロールは食事から取り入れられるのが2~3割、体内で作られるのが7~8割です。コレステロールは悪玉(LDL)コレステロールと善玉(HDL)コレステロールがあります。悪玉(LDL)が高くなったり、善玉(HDL)が低くなることで動脈硬化が進みやすくなります。

善玉コレステロール(HDLコレステロール)

善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールは末梢組織から過剰なコレステロールを回収する働きがあり、動脈硬化を抑制します。低すぎると血管が弱くなったり、免疫力が低下したり動脈硬化が進みやすくなります。HDLコレステロールは中性脂肪が高いことや糖尿病、喫煙、運動不足などで低くなっている場合があります。

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)

悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあります。増えすぎると血管の内側に溜まり、動脈硬化が進みます。動脈硬化は心筋梗塞や狭心症などを起こす危険因子です。コレステロールは体の中で一定量になるよう調整されていますが、体内での合成が増える・食事からの摂取が増える・女性ホルモンの影響など、体内のコレステロール調整のバランスが悪くなるとLDLコレステロールが増えてしまいます。

コレステロールが高い人が食べてはいけないものとは?

コレステロールが高い人が食べてはいけないものはありませんが、脂質バランスを崩してしまう食べ方はコレステロールを上げてしまいます。また、エネルギーの過剰摂取は肥満やコレステロールを合成しすぎてしまいます。エネルギー摂取は標準体重を維持できる量にし、脂質エネルギー比を20~25%にしましょう。飽和脂肪酸、コレステロールやトランス脂肪酸はLDLコレステロールを上げる働きがあります。飽和脂肪酸とは脂質の一種です。飽和脂肪酸は、肉類・乳製品・バター・ラードなどの動物性の油脂・ココナッツオイル・チョコレート・洋菓子・冷凍食品やインスタントラーメンなどの加工品に多く含まれています。常温で固形状であるという特徴があります。飽和脂肪酸の摂取量はエネルギー比7%未満が目安量です。コレステロールは動物性のレバー・卵類・魚卵・いか・たこ・鶏肉などに多く含まれています。コレステロール摂取量は一日200mg未満に抑えましょう。トランス脂肪酸を多く含む食品はマーガリン・ショートニング・ファットスプレッド・洋菓子・スナック菓子・あられなどの揚げ菓子に多く含まれています。おやつなどを選ぶ時には気をつけましょう。

飽和脂肪酸摂取目安量

1日のエネルギー摂取量(Kcal) 1日に食べる飽和脂肪酸の上限目安量(g)
1200 9
1400 10
1600 12
1800 14

卵類

鶏卵やうずらの卵などはコレステロールが多く含まれているため控えましょう。コレステロールは卵黄に特に多く含まれます。
鶏卵55g(1個)に204mg、卵黄17g(1個)に204mg、うずらの卵30g(3個)に141mg含まれています。
クリームパン・カスタードプリン・シュークリーム・カステラなど、卵を使用しているおかしや加工品にもコレステロールが多く含まれています。

乳製品

乳製品は飽和脂肪酸を多く含むため控えましょう。牛乳・ヨーグルト・チーズ・クリーム・バターやそれらを使ったおかしや加工品です。乳製品はカルシウムを多く含む食品です。普通牛乳や全脂のヨーグルトではなく、飽和脂肪酸が少ない低脂肪や無脂肪のものを適量摂取することがおすすめです。

乳・乳製品の栄養素含有量一覧

食品名 重量(g)
(1回の目安量)
エネルギー(Kcal) 脂質(g) 飽和脂肪酸(g)
牛乳 脱脂乳(無脂肪牛乳) 150 50 0.2 0.11
低脂肪牛乳 150 62 1.5 1.01
普通牛乳 150 101 5.7 3.50
ヨーグルト ヨーグルト(無脂肪無糖) 150 63 0.5 0.24
ヨーグルト(低脂肪無糖) 150 68 1.5 0.87
ヨーグルト(全脂無糖) 150 93 4.5 2.75
チーズ プロセスチーズ 20 68 5.2 3.20
クリームチーズ 20 69 6.6 4.05
カッテージチーズ 20 21 0.9 0.55
クリーム クリーム(植物性脂肪) 20 78 7.8 1.80
クリーム(乳脂肪) 20 87 9.0 5.52

肉類

牛肉・豚肉・鶏肉や肉の加工品は飽和脂肪酸やコレステロールを多く含むため控えましょう。脂質の多い鶏皮・挽き肉・ばら肉・牛脂やラードなどは特に摂りすぎに注意が必要です。

肉類の栄養素含有量一覧

食品名 重量(g)
(1回の目安量)
エネルギー(Kcal) 脂質(g) コレステロール(mg) 飽和脂肪酸(g)
鶏レバー 50 25 1.6 185 0.36
豚レバー 50 57 1.7 125 0.40
鶏もも肉(皮付き) 100 190 14.2 89 4.37
鶏もも肉(皮なし) 100 113 5.0 87 1.38
豚ばら肉(大型脂身つき) 100 366 35.4 70 14.60
和牛サーロイン(脂身つき) 100 460 47.5 86 16.29
豚ひき肉 100 209 17.2 74 6.24
鶏レバー 50 25 1.6 185 0.36
ベーコン 20 80 7.8 10 2.96
ウインナー 20 64 6.1 12 2.20

魚卵

たらこ・いくら・子持ちのししゃもやかれいなどはコレステロールを多く含むため控えましょう。魚卵以外の魚介類では、たこ・いか・あん肝などにコレステロールが多く含まれています。

魚卵の栄養素含有量一覧

食品名 重量(g)
(1回の目安量)
エネルギー(Kcal) 脂質(g) コレステロール(mg)
すじこ 30 79 5.2 153
たらこ(1/2腹) 40 52 1.9 140
ししゃも(2尾) 50 76 4.1 115
かれい(子持ち) 100 123 6.2 120

まとめ コレステロールが高い人が食べてはいけないものを知って改善しよう

コレステロールが高くなる原因は、食べすぎや飽和脂肪酸・コレステロールの過剰摂取です。飽和脂肪酸・コレステロール・トランス脂肪酸を多く含む食品を摂りすぎないこと、標準体重を維持することがコレステロール上昇の抑止になります。食物繊維や不飽和脂肪酸を多く含む食品を積極的に摂ることがコレステロールの低下につながります。基本的には減塩した日本食パターンの食事がおすすめです。肉を控えめにし、魚、大豆製品、野菜、海藻やきのこを十分に摂り、主食・主菜・副菜をそろえた食事です。
コレステロールが高くても自覚症状はありませんが、動脈硬化を進める危険因子となります。健康診断などでコレステロールの高値が見つかったら速やかに医療機関を受診し、動脈硬化によって起こる病気を予防しましょう。

「コレステロール」の異常で考えられる病気

「コレステロールの高さ」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

腎臓系の病気

肝臓・胆道系の病気

  • 閉塞性黄疸
  • 胆石

コレステロールが高いまま放置してしまうと、動脈硬化が進み他の病気になるリスクが高まります。健康診断などでコレステロールが高いと指摘されたら、早めに内科を受診しましょう。

この記事の監修医師