「ドライマウス」はカフェインの摂り過ぎ・ストレスで起きる? 原因を歯科医が解説!

「口の中が渇きやすい(ネバつく)」「食べ物が飲み込みにくい」などの症状が気になることはありませんか? これらの症状はドライマウス(口腔乾燥症)の可能性があり、そのまま放置すると日常生活にも支障をきたしてしまうおそれがあります。そこでドライマウス(口腔乾燥症)の原因について、いぬかい医大モール歯科クリニック院長(医療法人社団博伸会理事長)の犬飼先生に聞きました。
編集部
なぜ、ドライマウスになってしまうのでしょうか? 原因を教えてください。
犬飼先生
ドライマウスは病気ではなく、何らかの原因で唾液の量が減ってしまう状態のことをいいますが、そうなる原因は多岐にわたります。その1つは、唾液の原料となる水分が体内で不足することです。具体的には発熱や糖尿病などの病気、カフェインやアルコールなど利尿作用のある飲料の過剰摂取などが挙げられます。唾液の量が減ってしまう原因はほかにも、唾液をつくる唾液腺に障害がある場合や、何らかの要因で唾液の出が悪くなる場合などが考えられます。
編集部
唾液腺に障害が起こる要因には、どのようなことが考えられますか?
犬飼先生
唾液線の障害によるドライマウスは、シェーグレン症候群が代表的です。自己免疫疾患に分類されるこの病気は、自身の免疫細胞が唾液腺や涙腺などを非自己と誤認して破壊してしまいます。また、加齢や唾液腺の病気で唾液腺に障害を起こしてしまうことがあります。
編集部
このほかに、唾液の出が悪くなる要因にどのようなものがありますか?
犬飼先生
服用するお薬の中にも、副作用としてドライマウスを引き起こしてしまう薬剤があります。代表的なものに、降圧剤(血圧を下げる)や抗不安薬・抗うつ薬、抗ヒスタミン薬(アレルギー・ぜんそく)などが挙げられます。さらに、ストレスが原因でドライマウスを引き起こしてしまうケースも少なくありません。
編集部
ストレスもドライマウスの原因になるのですか?
犬飼先生
日常生活の中でも、緊張したり興奮したりした時にお口が渇くことはよくあると思います。この緊張や興奮が長く続いてしまうのがストレス状態です。唾液の分泌は交感神経と副交感神経の2つの自律神経によってコントロールされており、興奮の神経といわれる交感神経が優位になると粘り気のある唾液が多くなります。緊張した時やストレスが溜まっている時はこの交感神経が優位に働くため、お口が渇きやすくなるわけです。

監修歯科医師:
犬飼 伸二(いぬかい医大モール歯科クリニック)
※この記事はMedical DOCにて<ドライマウスの治し方を歯科医が解説 口腔乾燥症で口が乾く原因やリスクと対策も説明>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。