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”不正出血”だけじゃない?「卵巣がん」が進行すると現れる5つの症状とは【医師監修】

 公開日:2026/04/10
”不正出血”だけじゃない?「卵巣がん」が進行すると現れる5つの症状とは【医師監修】

卵巣がんで現れる不正出血以外のサインとは?メディカルドック監修医が、下腹部痛や便秘、急激な体重変化、お腹の張りなどの具体的な症状を詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「卵巣がん」を発症すると「不正出血」を起こす?初期症状を医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

西田 陽登

監修医師
西田 陽登(医師)

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大分大学医学部卒業。大分大学医学部附属病院にて初期研修終了後、病理診断の研鑽を始めると同時に病理の大学院へ進学。全身・全臓器の診断を行う傍ら、皮膚腫瘍についての研究で医学博士を取得。国内外での学会発表や論文作成を積極的に行い、大学での学生指導にも力を入れている。近年は腫瘍発生や腫瘍微小環境の分子病理メカニズムについての研究を行いながら、様々な臨床科の先生とのカンファレンスも行っている。診療科目は病理診断科、皮膚科、遺伝性疾患、腫瘍全般、一般内科。日本病理学会 病理専門医・指導医、分子病理専門医、評議員、日本臨床細胞学会細胞専門医、指導医。

卵巣がんの概要と原因

卵巣がんの概要と原因
卵巣がんとは、子宮の両脇にある卵巣に発生する悪性腫瘍です。2020年には日本で年間約1.3万人の女性が卵巣がんと診断されており、約5,100人が卵巣がんで亡くなっています。卵巣がんは40代から増え始め、50〜60代で発症のピークを迎えます。発症の原因は明確にはわかっていませんが、排卵の回数が多いほど卵巣がんのリスクが高まると考えられています。

また、食生活の欧米化との関連も指摘されています。卵巣がんは遺伝的な要因も一部あります。乳がん・卵巣がんの家族歴がある場合や、BRCA1/BRCA2といった遺伝子変異を持つ場合は遺伝性乳がん卵巣がん症候群と呼ばれ、卵巣がん発症リスクが高まります。

不正出血以外の卵巣がんの症状

不正出血以外の卵巣がんの症状
卵巣がんは初期には症状が乏しい一方、進行するとさまざまな体調の変化を引き起こします。不正出血以外に卵巣がんで現れる主な症状として、次のようなものがあります。

腹痛や腰痛

卵巣がんが大きくなったりお腹の中や腹膜に広がったりすると、周囲の臓器や神経を圧迫して下腹部の痛みや腰痛を感じることがあります。特に、腹腔内に腹水が溜まると膨張で痛みを感じることがあります。

生理痛、月経異常

卵巣がんそのものでは、初期の段階で月経に変化が現れることはほとんどありません。卵巣は左右に2つありますが、片方の卵巣にがんができてももう片方が正常に機能していれば、生理周期は保たれ大きな月経異常は起きるとは限らないからです。しかし、両方の卵巣が侵されると生理不順や無月経になる可能性があります。

便秘

卵巣がんが進行して腫瘍が大きくなったり腹水が溜まったりすると、後ろにある直腸を圧迫するため腸の通り道が狭くなり、便秘になることがあります。

体重の増減

何も生活習慣を変えていないのに急激な体重変化があった場合も注意が必要です。卵巣がんでは短期間に体重が増えたり減ったりすることがあります。例えば、お腹の中に大量の腹水が溜まるとその分体重が増加します。一方、がん細胞が放出する物質の影響で食欲が低下したり筋肉が落ちたりすると体重減少が起こります。

お腹の張り

下腹部の膨満感や腹囲の増大も卵巣がんの代表的な症状の一つです。卵巣がんが進行して腹膜にがんが広がると、腹腔内に液体(腹水)を貯留させます。この腹水が大量に溜まると、お腹が風船のように膨れ、時には臨月の妊婦さんのようにお腹が突き出すこともあります。

卵巣がんについてよくある質問

ここまで卵巣がんについて紹介しました。ここでは「卵巣がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

卵巣がんにかかりやすい人の特徴を教えてください。

卵巣がんの発症リスクが高い方の特徴として次のようなものが知られています。

  • 50〜60代
  • 妊娠・出産経験が少ない
  • 婦人科疾患(子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群など)の既往
  • 家族歴・遺伝要因がある

以上のような特徴に当てはまるからといって必ず卵巣がんになるわけではありません。しかし、リスク要因を複数持つ方は、普段より意識的に婦人科検診を受ける、下腹部の症状に注意するといった心がけが大切です。

健康診断や人間ドックで卵巣がんを発見できますか?

現状、卵巣がんに関しては有効性が証明された検診方法が確立されていません。腹部超音波や腫瘍マーカー測定(CA125など)は人間ドックのオプションで行われることもありますが、これらを定期的に実施しても卵巣がんの死亡率を下げられる明確な効果は確認されていません。

卵巣がんの生存率を教えてください。

卵巣がんの生存率は病気の進行度によって大きく異なります。一般的に用いられる5年生存率は、次のようになります。

  • ステージI(がんが卵巣内にとどまっている):88.7%
  • ステージII(骨盤内にがんが広がっている):74.9%
  • ステージIII(腹膜やリンパ節に転移がある):45.1%
  • ステージIV(肝臓や肺など遠隔転移がある):27.1%

早期のI期で発見できれば約9割が5年以上生存しますが、進行が進むにつれて生存率は低下します。

まとめ

まとめ
卵巣がんは初期症状に乏しい病気ですが、決して予防や早期発見が不可能なわけではありません。不正出血は卵巣がんの典型的な初期症状ではないものの、婦人科系の異常を知らせる重要なサインです。特に閉経後の不正出血や繰り返す不正出血がある場合は、卵巣がんに限らず子宮の病気を含め早めに受診することが望ましいでしょう。そして、本記事の内容が、皆様の不安解消と健康管理のお役に立てば幸いです。

関連する病気

  • 子宮体がん
  • 子宮頸がん
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜ポリープ
  • ストレスなどによるホルモンの乱れ

関連する症状

  • 腹部膨満感
  • 下腹部痛
  • 排尿障害
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 月経異常
  • 全身の倦怠感

この記事の監修医師

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