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「肛門がん」の治療は”人工肛門”が必要?抗がん・放射線治療も医師が解説!

 公開日:2026/04/23
「肛門がん」の治療は”人工肛門”が必要?抗がん・放射線治療も医師が解説!

肛門がんは、お尻の出口である肛門に発生する、がん全体のなかでは珍しいがんです。早期発見と適切な治療が重要で、治療法はがんの進行度や種類によって異なります。この記事では、肛門がんの概要と治療法について解説します。少しでも気になる症状があれば参考にしてみてはいかがでしょうか。

※この記事はメディカルドックにて『「肛門がん」の「原因」はなに?診断や治療についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

永井 恒志

監修医師
永井 恒志(医師)

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医師、医学博士(東京大学)、東海大学大学院客員准教授。
平成15年金沢医科大学医学部卒。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て東京大学大学院医学系研究科教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究(国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関)をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。
特に免疫細胞であるM1マクロファージの画期的な機能の一端を解明した。現在は腫瘍免疫学の理論に基づきがんの根絶を目指してがん免疫療法の開発と臨床応用を手掛けている。

肛門がんとは?

肛門管というお尻の出口から直腸に向かう約3〜4cmの部分と、肛門周囲の皮膚組織にできるのが肛門がんです。
主に肛門部分の症状は、と間違われることがよくあります。肛門がんの症状にはどのようなものがあるのでしょうか。いくつかの種類があるため、その特徴についても解説します。

肛門がんの主な症状

主な症状は、以下のものがあげられます。

  • 排便時の出血
  • 痛み
  • かゆみ
  • 肛門付近の腫れ
  • しこり
  • 分泌物

肛門がんを発症しても、約2割の方は無症状です。症状がある場合は、肛門周囲に硬いしこりとして触れることがあります。しこりはがん細胞によって生じたものです。このしこりが破れると出血する可能性があります。排便時に血が混ざったり、トイレットペーパーに血が付着したりすることが特徴です。
さらに圧迫や炎症によって肛門周辺の痛みやかゆみ、違和感を覚えやすいでしょう。しこりが大きくなるにつれて、排便が困難になったり、便が細くなったりする排便異常が生じます。膿や粘液が分泌される場合は、慢性的な痔瘻が原因の一つです。

肛門がんの種類と特徴

肛門がんは、さまざまな組織型の腫瘍が発生することがわかっています。発生する場所や細胞の種類によって、大きく扁平上皮がん腺がんに分けられます。
扁平上皮がんは、肛門の皮膚部分に多く発生するタイプです。感染との関連性が指摘されており、性行為を介して発症するケースが多いとされています。進行すると腫瘍が大きくなり、出血を伴うことがあります。
一方腺がんは、肛門の内側に発生するタイプです。直腸がんと同様に、腺と呼ばれる分泌物を出す細胞から発生します。初期症状はほとんどなく、進行してから発見されることも少なくありません。

肛門がん治療について

がんのステージ、種類、患者さんの状態などにより異なります。一般的には手術・放射線治療・化学療法(抗がん剤)のいずれか、またはそれらを組み合わせた治療法が選択されます。
腺がんの場合は大腸がんに準じた治療が行われ、扁平上皮がんに対しては主に化学療法です。

抗がん治療方法

肛門がんの治療には、主に手術・放射線治療・化学療法が使用されます。早期の場合には手術による摘出が行われ、がんが進行している場合は放射線治療と化学療法を組み合わせた治療法が採用されることがあります。
治療方法は、がんの進行具合や患者の健康状態に応じて選択され、治療後の経過観察が重要です。

手術

腫瘍までの深さが浅い場合は内視鏡切除や局所切除を行い、深く進行していれば外科的切除を行います。外科的切除を行う場合、肛門機能を残せないことが多く、人工肛門の造設が必要になる場合があります。
また術前に、再発を減らすための化学療法と放射線治療は、効果が期待できるため有用です。

放射線治療

高エネルギーX線を使ってがん細胞を殺し、増殖を抑える治療法です。身体の外から放射線を照射する外照射療法と、針などに放射線物質を入れてがん細胞に直に照射する内照射療法があります。
主に扁平上皮がんの場合は、放射線治療がほとんどです。腫瘍が肛門管にあり、転移がないステージ1〜3は放射線療法を行います。転移のあるステージ4では化学療法を単独で行う治療が一般的です。

肛門がんについてよくある質問

ここまで肛門がんの原因や診断方法、治療法などを紹介しました。ここでは「肛門がんの治療後」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肛門がんの治療後に再発するリスクはどのくらいですか?

永井 恒志永井 恒志 医師

がんは再発の可能性があります。再発率はがん発見時の進行度・治療方法・患者さんの健康状態によりますが、局所再発が特に高く約28%とされています。治療後も便潜血検査や、専門医による直腸肛門指診、ファイバイースコピー検査などを定期的に行うことが重要です。

肛門がんの治療後に日常生活に戻るための期間はどれくらいですか?

永井 恒志永井 恒志 医師

個人差はありますが、手術からおよそ1ヶ月経てば、元通りの生活が可能です。術後の症状は数ヶ月〜数年にかけて徐々に落ち着いてきます。特に食事に関して術後まもない間は、食物繊維が豊富な食べ物や消化しにくい食べ物は避けた方がよいでしょう。

編集部まとめ

肛門がんはあまり聞きなれない病気かもしれませんが、主な要因であるHPVは誰にでも感染する可能性があります。肛門部に気になる症状があれば、痔だと自己判断せず早めに病院を受診しましょう。

初期には症状がないことも多いので、定期的な検診が早期発見につながります。早期に発見されれば、負担が少ない治療法で完治可能です。

以下は肛門がんの予防法です。

  • 禁煙
  • 安全性の高い性行為
  • 痔の治療を行う

これらの予防策を心がけることで、肛門がんになるリスクを減らすことができます。

肛門がんと関連する病気

「肛門がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 痔核(いぼ痔)
  • メラノーマ(悪性黒色腫)

メラノーマは発見するのが難しく、発見が遅れる場合も少なくありません。これらは症状が似ているものもあるため、自己判断せずに必ず医師に相談しましょう。

肛門がんと関連する症状

「肛門がん」と関連している、似ている症状は6個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 出血
  • 痛み
  • かゆみ
  • 腫れ
  • しこり
  • 排便時の激しい痛み

肛門がんに似た症状はとても多様で、同じ症状でも異なる病気が原因であることがあります。悩んでいる間にも、病気は進行します。長引く場合は早めの受診を心がけましょう。

この記事の監修医師

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