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「甲状腺がんの早期発見のポイント」は何の変化に注意すること?医師が徹底解説!

 公開日:2025/12/08
「甲状腺がんの早期発見のポイント」は何の変化に注意すること?医師が徹底解説!

のどぼとけのすぐ下にある甲状腺は、10~20g程度の小さな臓器です。この部分ががんに罹患すると、甲状腺がんと診断されます。

一般的に30〜40代に多くみられるといわれていますが、種類によっては高齢者にも発症することがあり、油断は禁物です。

なお、その種類は1つだけではありません。また種類によって予後・生存率などが異なります。

本記事では甲状腺がんの初期症状を中心に解説するので、参考にしてください。

※この記事はメディカルドックにて『日本人女性が罹りやすい「甲状腺がんの種類」は何かご存じですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

久高 将太

監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

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琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。内分泌代謝・糖尿病内科専門医。

甲状腺がんの初期症状

症状としてあげられるのは、主に以下の8つです。

  • しこり
  • 喉の違和感
  • 声のかすれ(嗄声)
  • 飲み込みにくさ
  • 誤嚥
  • 痛み
  • 血痰
  • 呼吸困難

甲状腺がんの初期症状は多くの場合、自覚症状がありません。症状が進むと次第に病巣部分が肥大化し、しこりとなってあらわれます。しかし、しこりが小さい場合も自覚症状はあまり感じられないかもしれません。
甲状腺全体が腫れ始めてようやく、前脛部分に違和感を覚え始めるでしょう。進行具合によって声のかすれ・飲み込みにくさなどの自覚症状が増え始めます。
特に大きな声を出していないのに何日も声がかすれた状態が続く場合には、病院の診察を受けたほうが良いでしょう。早期発見のポイントについては、後述するのでそちらを参考にしてください。

早期発見のポイントとは?

甲状腺がんは、初期の段階では目立った自覚症状がみられない特徴があります。
しかしその一方で、注意すべきポイントを知っていれば早期発見につながるかもしれません。その主なポイントとしてあげられるのは、以下の3つです。

  • 声の変化
  • 首の痛み
  • 飲み込みにくさ

それぞれの注意点・ポイントについて解説するので、参考にしてください。

声の変化に注意する

初期症状として「嗄声(きせい)」があげられます。嗄声とは声がかすれることです。
見た目・触った感じでは違和感がないかもしれません。しかし風邪を引いているわけでもなく、大きな声などを出して喉に負担をかけたこともないのに長期にわたって声がかすれる場合は、早めに病院で診察を受けてください。

首の痛みに注意する

甲状腺がんは一般的に、痛みを感じることはほとんどありません。しかし高危険度がん・未分化がんの場合には、首の痛みを感じることもあるようです。
原因がわからない首の痛みを感じた場合は、病院で診察を受けたほうが良いでしょう。

飲み込みにくさに注意する

飲み込みにくさにも注意しておいたほうが良いかもしれません。しかし食べ物・飲み物が飲みにくくなったからといって、必ずしも甲状腺がんに罹患しているとは限らないので注意してください。
初期の段階では一般的に自覚症状がないとされており、ストレスなどが原因で飲み込みにくさを感じるケースもあります。
ただし甲状腺を含めたほかの病気が見つかる可能性もあるため、病院で診察を受けてみるのも良いかもしれません。

甲状腺がんの初期症状についてよくある質問

ここまで甲状腺がんの初期症状・治療法・早期発見のポイントなどを紹介しました。ここでは「甲状腺がんの初期症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

甲状腺がんの検査方法について教えてください

久高 将太医師久高 将太医師

甲状腺がんにおける主な検査は以下の6つです。

  • 超音波
  • 血液検査
  • 細胞診(病理検査)
  • CT・MRI
  • シンチグラフィ
  • 腫瘍マーカー

超音波では、甲状腺にできた腫瘍の大きさ・性質とあわせて転移の有無なども調べながら、良性・悪性の判断を行います。血液検査を行うのは、ホルモンを調べるためです。遊離サイロキシン・甲状腺刺激ホルモン・サイログロブリン・カルシトニンなどを中心に行います。細胞診はしこりの良性・悪性を調べることが目的です。超音波と並行して行い、病理組織を穿刺します。CT・MRIは、主にがんの広がり・転移などを調べるために行うのが一般的でしょう。シンチグラフィとは、放射性薬品を内服・注射し、体内で放出される放射線を画像にする検査です。甲状腺がんにおいては、甲状腺シンチグラフィと腫瘍シンチグラフィを行うでしょう。腫瘍マーカーは、がん診断の補助・経過確認などを行うための検査です。甲状腺がんの場合はCEA・サイログロブリン・カルシトニンが扱われることがあります。

甲状腺がんは転移しますか?

久高 将太医師久高 将太医師

種類と転移については以下の通りです。

種類 転移先 転移の確立
乳頭がん リンパ節・周辺臓器 リンパ節への転移は低い
離れた臓器へ転移しやすい
濾胞(ろほう)がん 骨・肺など離れた臓器
血液の流れを利用
リンパ節への転移は低い
離れた臓器へ転移しやすい
髄様(ずいよう)がん リンパ節・肺・肝臓など 高いとされている
未分化がん 甲状腺周辺(気管・食道など)・全身 高いとされている

転移の確率については症状・状態によって異なるため、一概にはいえません。あくまでも目安であり、治療後も医師の診察が欠かせないといえるでしょう。

甲状腺がんがリンパ 節に転移するのはどのステージですか?

久高 将太医師久高 将太医師

リンパ節に転移するステージは、甲状腺がんの種類によって異なります。主な種類とステージは以下の通りです。

  • 乳頭・濾胞(ろほう)がん:2期以上
  • 髄様(ずいよう)がん:3期以上
  • 未分化がん:4B期以上

同じ甲状腺がんでも種類によってステージは異なるので、覚えておくと良いでしょう。

編集部まとめ

甲状腺がんの初期症状について解説しました。結論からいうと、甲状腺がんにおける初期症状はほとんどありません

症状の一例として嗄声(きせい)・しこりなどをあげましたが、これらの自覚症状がみられるのはまれでしょう。

しかし、何らかの違和感を覚えた場合は甲状腺を含めた病気に罹患している可能性があります。甲状腺がんも含めて、病院で診察を受けてみてください。

甲状腺がんと関連する病気

「甲状腺がん」と関連する病気は以下の通りです。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 慢性甲状腺炎

甲状腺の肥大というだけでは甲状腺がんとは判断が難しいですが、慢性甲状腺炎を罹患している患者さんは悪性リンパ腫を発症しやすいといわれています。
そのため、甲状腺がんも含めて慎重に検査などを進めて診断を行います。

甲状腺がんと関連する症状

「甲状腺がん」と関連している、似ている症状として以下のようなものがあげられます。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 声のかすれ
  • しこり
  • 喉の違和感

ただし甲状腺がんに罹患しているからといって、必ずしも上記のような症状がみられるとは限りません。
無症状でありながら、健康診断などで罹患がわかることもあるので注意してください。

この記事の監修医師

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