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「舌がんの検査方法」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2024/10/10

舌がんと聞くと「痛みを伴う病気」というイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか。

しかし、舌がんは初期の段階では、痛みがなく気付きにくいという特徴があります。また、口内炎と似ているため、「そのうち治るだろう」と放置した結果、病状が悪化している場合が少なくありません。

この記事では、舌がんの初期に見られる症状について解説します。見えやすい場所にできるため、早期に見つけられる病気です。

口腔内に気になる症状がある方は最後までご覧ください。

※この記事はMedical DOCにて『「舌がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

坪光 玄義

監修歯科医師
坪光 玄義(歯科医師)

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鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

舌がんとは?

舌がんとは舌に発生するがんで、口腔内にできるがんの 約60%を占めています。舌の表面を覆っている細胞である扁平上皮細胞ががん化したもので、腫瘍が大きくなると舌の組織の深いところまで進行し症状が現れます。口を大きく開いたときに見える、舌の前方2/3の範囲にできるがんです。好発部位は、舌の縁(舌の横)や舌の裏側です。
男女比では3:2と男性に多く、60歳代で発症するケースが多いとされていますが、20〜30代でも発症することがあります。舌は私たちが生活をする上で非常に重要な役割を果たしています。食べ物の味を感じる・食べたものを飲み込む・発声して会話をするなど、摂食・嚥下・構音という機能を担っているのが舌です。
しかし、舌にがんができると機能が正常に働かず、 日常生活に支障が出るためQOL(生活の質)を下げることにつながります。快適な生活を維持するためにも、舌がんの予防に取り組むこと、そして早期発見することが大切です。

舌がんの診断のために行う検査

舌がんは胃や腸など内臓にできるがんとは違い、見た目や自覚症状で気付けるがんです。しかし、確実な診断のためには医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。ここでは、診断のために行われる検査方法を3つ解説します。

視診・触診

視診は、口腔内に光を当ててがんの大きさや形を目視で観察する方法です。舌がんの前がん症状である紅板症や白板症の有無・むし歯の有無・入れ歯や歯の被せ物によるトラブルの有無などについて調べます。触診は口の中に指を入れ、舌にできている炎症や潰瘍を直接触り病変を確認する方法です。
がんの大きさ・硬さ・広がり具合・痛みの有無などを調べます。また、舌がんはリンパ節に転移する場合も多いため、頸部を触りリンパ節が腫れていないかを確認します。

超音波検査

超音波検査は、超音波が出るプローブを体の表面に当てて、体内から反射してくる超音波を画像として写し出す検査です。舌の検査では、舌に直接プローブを当て、がんが進行している深さや広がり具合を観察します。また、リンパ節を観察する場合にも超音波検査が行われ、転移の状態やその範囲を確認します。

細胞診

細胞診とは、がんが疑われる組織の一部を採取し顕微鏡で検査する方法です。綿棒やブラシなどで舌の表面をこすり細胞を採取します。がん細胞の有無・どのような種類の細胞からがんが発生しているのか・がん細胞が正常な細胞とどのくらい異なっているのかを調べます。
舌がんの治療を進めていくための指標となる検査です。

舌がんについてよくある質問

ここまで舌がんの初期症状についてご紹介しました。ここでは舌がんについてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

口腔がんの早期発見につながる症状について教えてください。

坪光 玄義医師坪光 玄義(医師)

口腔がんの初期症状は、痛みを伴いません。痛み以外で早期発見につながる症状として以下のものが挙げられます。

  • 赤い斑点や白い斑点がある
  • 2週間以上続くただれや潰瘍がある
  • 痛みがない腫れが続いている
  • 舌にしこりがある

気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

舌がんを予防する方法はありますか?

坪光 玄義医師坪光 玄義(医師)

がんのリスクを高める喫煙を控え、飲酒の機会を減らすなど生活習慣を見直すようにしましょう。また、口腔内の清潔を保つことも大切です。定期的に歯科医院を受診し検診を受けることで、口腔内の異常にいち早く気付けます。
むし歯や合っていない入れ歯などを治療し、口腔内の環境を整えることもリスクを減らすことにつながります。「ただの口内炎」と思って放置するのではなく、日頃から口腔内の様子に関心を持つようにしましょう。

編集部まとめ

舌がんは、喫煙や飲酒・口腔内の環境悪化により引き起こされるがんです。口内炎と間違われやすく、放置していると悪化してしまう可能性が高くなります。

2週間以上治らない口内炎の場合はがんの可能性も視野に入れ、気になる場合は早めに医療機関を受診することが大切です。

日頃から、口腔内の様子を観察することも早期発見につながる行動の1つです。

快適な日常生活を送るためにも、早期発見・早期治療を心がけましょう。

舌がんと関連する病気

舌がんと関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

舌がんは初期の段階では口内炎と識別するのが難しい病気です。舌以外にも口腔内にできるがんは複数あります。なかなか治らない口内炎の場合は口腔がんである可能性が高いため、気になる場合は早めに医療機関を受診しましょう。

舌がんと関連する症状

舌がんと関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 口腔粘膜が赤色または白色に変色している
  • 口腔粘膜に硬いしこりがある
  • 口腔粘膜が腫れている
  • 舌に刺すような痛みがある
  • 舌が痺れる
  • 口が開けづらい
  • 食事が飲み込みにくい
  • 話しにくい
  • 首や顎の下のリンパ節が腫れている

舌がんは進行すると、さまざまな自覚症状が現れます。上記のような症状が気になる場合には、早めに医療機関を受診しましょう。早期発見・早期治療が大切です。

この記事の監修歯科医師