高齢者が脳トレをする際の注意点とは より効果的におこなう方法も併せて介護福祉士に聞く

認知症を予防するため、「脳トレ」に励んでいる高齢者も少なくないと思います。しかし、独学でやって効果は出るものなのでしょうか。今回、介護福祉士の佐藤さんに、「脳トレをおこなう際の注意点」と「効果的にやるポイント」を伺いました。

監修介護福祉士:
佐藤 恵美(介護福祉士)
編集部
高齢者の脳トレで注意する点はありますか?
佐藤さん
認知機能や身体機能をアセスメントし、その人のレベルに合ったものを用意しましょう。問題が難しいと拒否につながります。「自分はこんなこともできない」とネガティブな思いが生まれ、自尊心を傷つける恐れもあります。
編集部
脳トレの効果を高めるにはどうすればいいでしょうか?
佐藤さん
運動の要素を取り入れてみてください。指を動かしたり、歌に合わせて楽しく体を揺らしたりする、頭を使うだけに留まらない脳トレの提供が効果的です。ジグソーパズルもおすすめの脳トレです。一見静かな脳トレに思えますが、小さなピースを決まった場所にはめ込むため、手指の運動と脳への刺激になります。
編集部
効果的な脳トレの実施法を教えてください。
佐藤さん
脳トレはその時だけおこなえばいいというものではありません。日々ちょっとずつでも、楽しみながら続けるのが重要なポイントです。その人がどんなものに興味を持つのかをしっかりアセスメントし、楽しんで取り組んでもらえる脳トレを選ぶ必要があります。高齢者は疲労を感じやすく、同じことを長時間おこなうのが難しい場合があります。無理のないペースを保ち、楽しんで取り組むのが効果アップのコツです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐藤さん
脳トレは、その人に合ったものを選んで取り組んでもらうのが一番です。難しい問題を解く必要はありません。ちょっとしたクイズやパズル、書字も立派な脳トレです。頭を使うことで脳が刺激され、認知機能の活性化につなげることができます。ネット上にも脳トレ用の材料はありますし、介護関連の雑誌にもよく特集が組まれています。脳トレは継続が大切です。まずは簡単なものから始めてみませんか。
※この記事はメディカルドックにて【高齢者におすすめの脳トレ8選! 認知症を予防する脳トレを介護福祉士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




