「ADL低下」とはどのような状態かご存知ですか? 問題点を併せて介護福祉士が解説

超高齢化社会の日本では、様々な問題が挙げられております。そのなかで、よく耳にするのが「ADL低下」でしょう。しかし、「ADL低下」と言われてピンとくる方は少ないと思います。いったい、どのような状態なのでしょうか。具体的な問題点を併せて介護福祉士の千葉さんに聞いてみました。

監修介護福祉士:
千葉 拓未(介護福祉士)
編集部
「ADLが低下する」とはどのような意味ですか?
千葉さん
ADLとは、(Activities of Daily Living)の頭文字を取った略称で、移動や排泄といった日常生活に必要な動作を指します。このADLが何らかの理由でスムーズにできなくなることを「ADLが低下した状態」と呼びます。ADLには食事や更衣、洗面といった動作が含まれ、これらはBADL(基本的日常生活動作)です。一方、買い物、掃除、洗濯といったより高レベルな動作は、IADL(手段的日常生活動作)と呼ばれています。
編集部
ADLが低下した場合の問題点を教えてください。
千葉さん
体力や筋力といった身体機能が衰えることで、転倒やふらつきのリスクが高くなり、社会参加の機会も少なくなります。その結果、体や脳の働きが衰え、寝たきりへのリスクが高まるとされています。
編集部
ほかにはどのような問題が起こりますか?
千葉さん
本人と介護者の双方に、一定の負担がかかることが挙げられます。例えば、関節の痛みで入浴がスムーズにできない方の場合、洗身や洗髪に介護者の手が必要になるでしょう。心臓に疾患のある方が、見守りを頼むケースも考えられます。
編集部
これまで1人でおこなっていたことでも、誰かの助けが必要になるかもしれないのですね。
千葉さん
その通りです。しかし、人の助けを借りることに問題はありません。本人のADLが低下すると、本人や家族の日々の暮らしにも変化が生じます。その変化にどう対応するのかが問題です。
編集部
そのままADLが低下するとどうなるのでしょうか?
千葉さん
ADLが大きく低下すると、身の回り全般に介助が必要になる可能性があります。あくまで目安ですが、介護保険制度の要介護4、または要介護5の方があてはまるでしょう。しかし、毎日の生活スタイルや取り組みによって、ADLは維持・向上が可能です。
※この記事はメディカルドックにて【ADL(日常生活動作)低下を防ぐ2つのポイントとは 原因や対策を介護福祉士に聞く】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。