塗り薬や目薬も要注意! 薬の期限切れや劣化の危険性を薬剤師が解説

「以前に処方された薬が残っているけど、また飲んでも大丈夫?」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。薬には使用期限があり、保存状態によっては品質が劣化している可能性もあります。今回は、古い薬を服用・使用する際の注意点について、薬剤師の森本さんにお聞きしました。

監修薬剤師:
森本 夏子(薬剤師)
編集部
昔、処方された飲み薬って飲んでも大丈夫ですか?
森本さん
基本的には、飲まないことをおすすめします。ただし、痰(たん)のからみをよくする薬やトローチなどは同じ症状が出た時、応急処置的に飲むこともあるかと思います。その場合は、薬の期限をしっかり確認する必要があります。期限の記載がない薬は、ヒート(押し出すタイプの包装)の端にロット番号があるので、処方された薬局に伝えると調べてくれることもあります。
編集部
昔の薬を確認するときの注意点はありますか?
森本さん
飲み薬であれば「ヒートや梱包が破損していないか」、「湿気っていないか」、「変色していないか」という点に注意しましょう。薬のヒートや薬の袋に穴が開いていたり傷が付いていたりすると、衛生的な面で好ましくないですよね。すでに空いている薬は服用しない方が身のためです。また、湿気っているケースは、粉薬でよく起こります。袋の中で粉薬が固まっているようであれば捨ててください。ほか、錠剤などが変色していたら服用しないでください。錠剤は湿気で色が濃くなることがあります。
編集部
塗り薬などの外用薬はどうでしょうか?
森本さん
塗り薬は、期限が記載されている場合がほとんどです。未開封かつ期限内であれば使用することができますが、開封済みの場合は注意が必要です。例えば、チューブに入っている軟膏やクリーム剤は一度開封すると、3か月〜6か月が目安となります。2種類以上の軟膏やクリーム剤を混合している薬は、それよりもさらに短くなります。いつ開封したか分からなかったり、チューブの先や容器の周りが汚れていたりする場合は、捨ててしまうのがベターです。
編集部
ほかに、外用薬で気をつけた方がいいことはありますか?
森本さん
開封後の期限が決められている薬もあります。例えば、目薬を開封してから4週間経っても残っている場合は捨てましょう。1日に何回もフタを開封するため、空気に触れる頻度が高くなるのが理由です。ほか、外用薬の注意していただきたいのは、喘息や咳がひどい時に処方される吸入薬です。3日以上使用していない場合は、初回に使用する時におこなう空噴射や初期動作をする必要があります。
※この記事はメディカルドックにて【以前処方してもらった薬って飲んでも大丈夫? それとも捨てた方がいい?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。