「若年性認知症」になったら仕事を辞めないといけない? 予防・対処法を解説!

認知症は高齢者だけの病気ではなく、65歳以下の方でも認知症になるリスクはあります。若くして発症する「若年性認知症」は、生活習慣を見直すことで予防が可能です。今回は介護福祉士の青木さんに若年性認知症の予防・対策方法について解説していただきました。

監修介護福祉士:
青木 崇(介護福祉士)
編集部
若年性認知症の予防方法を教えてください。
青木さん
若年性認知症の予防には、生活習慣を見直すことがポイントです。適度な運動、バランスのとれた食事、そして喫煙者の方は禁煙をおすすめします。喫煙は動脈硬化や高血圧の原因です。血管性認知症のリスクを下げるためにも禁煙をおすすめします。基本的には生活習慣病の予防が、若年性認知症の予防になります。
編集部
若年性認知症を発症した場合、仕事は辞めなければいけませんか?
青木さん
若年性認知症を発症した場合でも仕事を続けることは可能です。仕事を続けるために、障がい者雇用枠を利用する方法もあります。仕事の仕方については、上司や人事担当者、産業医と相談しベストな働き方を模索しましょう。一方、若年性認知症を理由に退職すると、経済的に困窮する要因になりかねません。可能な限り仕事を続けられるように、企業と調整することが大切です。
編集部
若年性認知症の方が受けられる支援サービスを教えてください。
青木さん
若年性認知症の方は、高齢者向けの支援サービスを受けることができます。例えば、デイサービスやショート、入所施設などの介護サービスです。しかし高齢者向けの施設のため、ほかの利用者と馴染めずに継続して利用できないことも多くあります。そのため若年性認知症の方が介護サービスを利用する際は、若年向けの施設がおすすめです。数は多くありませんが、首都圏などを中心に若年向けの施設も増加しています。
編集部
どのように若年性認知症と向き合えばいいですか?
青木さん
若年性認知症は、「仕事を続けられるのか」や「家族に迷惑をかけるのでは」など、現役世代ならではの怖さがあります。健康なうちから生活習慣を見直し、発症リスク低下に努めましょう。また若年性認知症は早期に治療することで、進行を遅らせたり、症状を緩和したりできます。ただし、初期症状はうつ症状と似ていることもあり判断が難しいのが難点です。もの忘れや仕事や家事でのミスが頻発するようなら、専門医を受診するようにしましょう。
※この記事はMedical DOCにて<『若年性認知症』になりやすい人の特徴とは? 今からできる予防法を介護福祉士が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。