疲れが取れない人は必見! 疲れの原因となる「食生活」はご存じですか?

「ちゃんと寝ているのに、なかなか疲れが取れない」という人は栄養不足かもしれません。疲労改善には、食事からの栄養摂取が必須です。忙しくて食事量が足りていないかもしれない方は、それが疲れの原因かもしれません。今回は意外と疲れの原因となってしまう食習慣について、管理栄養士の佐久間さんに解説してもらいました。

監修管理栄養士:
佐久間 愛子(管理栄養士)
編集部
疲労改善には糖質が大切とありましたが、チョコや飴などの甘い物を食べると良いのでしょうか?
佐久間さん
体や脳を動かすためにも糖質は大事ですが、摂る種類が非常に大切です。チョコや飴などのお菓子に含まれる糖類(砂糖やブドウ糖)はすぐにエネルギーに変わるのと同時に、血糖値を急激に上げてしまいます。血糖値が急激に上がるとその反動で急激に下がるのですが、これにより眠気や体のだるさを感じやすくなります。甘い物の摂り過ぎは、疲労感が増す原因になるので、糖質を摂る時は食物繊維が豊富な玄米やもち麦などのごはんから摂りましょう。食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
編集部
疲れたときにエナジードリンクをよく飲みます。エナジードリンクで疲労は改善しますか?
佐久間さん
エナジードリンクには疲労改善効果の期待はできず、飲むタイミングを間違えてしまうと疲労感が増すこともあるので注意が必要です。エナジードリンクは無理やり交感神経を優位にさせることで、一時的にやる気が出るように感じます。また、一般的なエナジードリンクは多量の砂糖が含まれ、お菓子同様に血糖値の急上昇を引き起こします。さらに、カフェインも同様に多量に入っています。飲むタイミングによっては睡眠を妨げたり気持ちが落ち着かなかったりするので、寝る4時間前には摂らないようにしましょう。
編集部
寝る前にお酒を飲むとすぐ寝られるのですが、疲労改善効果があるのでしょうか?
佐久間さん
寝る前のお酒、通称「寝酒」はおすすめしません。むしろ疲労感を高めてしまいますよ。確かに、寝る前にお酒を飲むことで入眠は促せます。しかし、実際は眠りが浅く・睡眠の質が低下します。睡眠の質が低下すると、心身が充分に休まりません。また、お酒の分解の過程でナイアシンが消費されます。これによりエネルギー代謝が落ちたりセロトニンの量が減って気分の落ち込みが起きたりする可能性もあります。心身の疲労改善のためにも、寝酒はひかえましょう。
編集部
あらためて、どのように疲労と向き合えばいいですか?
佐久間さん
体が疲れる・疲れが取れにくいときは、体と脳のエネルギー不足のサインです。そのようなときは、ガソリンである糖質や体の調整機能に関わるたんぱく質を意識しましょう。糖質やたんぱく質の代謝を促すビタミンB群も忘れずに摂ってください。また糖質の場合は、玄米入りごはんなどの食物繊維が豊富な食材がおすすめで、チョコレートなどは逆効果です。日々の食生活の栄養バランスを整えて、疲れにくい体を作りましょう。
※この記事はMedical DOCにて<「寝ても疲れが取れない…」それは寝不足ではなく『栄養不足』管理栄養士直伝の食事の工夫>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。