「腰が痛いときはお風呂に入らないほうがいい」理由をご存知ですか? 注意したい腰痛とは
「腰が痛いと感じたら、お風呂に入って温める」。このような対応をしていませんか? 実は、腰痛の種類によっては、“温める”という対応は悪化を招く可能性があります。一体どういうことなのか、理学療法士の小原さんに解説していただきました。
監修理学療法士:
小原 綾介(理学療法士)
編集部
温泉は腰痛を和らげる効果はあるのでしょうか?
小原さん
温泉には腰痛を和らげる効果がある場合もありますが、温泉に入ってはいけない腰痛もあります。そもそも腰痛は「慢性腰痛」「急性腰痛」と2種類あり、「慢性腰痛」のみ温泉で腰痛を和らげる可能性があります。「急性腰痛」は炎症が起きている可能性があるため、温泉に入ることで腰痛を悪化させてしまう原因となるので、注意が必要です。
編集部
慢性腰痛とはどんな腰痛ですか?
小原さん
慢性腰痛とは、3ヶ月以上腰痛が続いているものを指します。長い間腰痛が続いているので、温泉に入って体をしっかり温めることで血液が循環し、腰痛の改善に繋がる可能性があります。また、精神的なストレスから腰痛を発症する場合もあるので、温泉に入って心からリラックスすることで腰痛を和らげる効果もあります。
編集部
急性腰痛とはどんな腰痛ですか?
小原さん
急性腰痛は「ぎっくり腰」や「急性腰椎椎間板ヘルニア」など、痛みが出てから日が経っていない腰痛を指します。急性腰痛の場合、腰に炎症が起きているので、温めてしまうことで痛みを誘発する物質が出るのを促進してしまい、腰痛が悪化してしまう可能性があります。急性腰痛の場合は、腰を冷やすことで改善する可能性があります。
編集部
急性腰痛では自宅のお風呂にも入らない方がいいのでしょうか?
小原さん
自宅のお風呂でも湯船につかれば腰を温めてしまうため、腰痛を悪化させてしまう原因になる場合があります。3日~1週間ほどは、腰が温まらないようにシャワーで済ませることをおすすめします。腰に熱感がある場合などはできるだけ温まらないように対処しましょう。
※この記事はMedical DOCにて【腰痛は温泉で改善するのか 悪化する可能性もある? 理学療法士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。