認知症介護で知っておくべき知識とは 認知症を引き起こす疾患について介護福祉士に聞く
家族が認知症を発症し介護が必要になったら、「どのように介護すればいいんだろう……」と考えてしまう方も多いと思います。認知症と一口に言っても原因や症状は様々。家族がどのような症状が出ているのか理解し、適切に介助する必要になります。今回は、認知症の種類や特徴について、介護福祉士の大久保さんを取材しました。
監修介護福祉士:
大久保 圭祐(介護福祉士)
編集部
適切な介護をするために必要な事はありますか?
大久保さん
認知症介護はかかりつけ医との連携が不可欠で、定期的に診断を受けることが適切な介護を行うためには必要です。また、「認知症」とはあくまで症状の名称で、原因となる病気にはいくつか種類があります。それぞれの病気には特徴があり、あらわれやすい症状も異なるので、そのような知識も必要です。
編集部
病気の種類について、もう少し詳しく教えてください。
大久保さん
認知症の原因となる、もっとも多い病気は「アルツハイマー病」です。最近の記憶に障害があらわれやすく、昔の思い出などは保たれやすい特徴があります。進行とともに、昔の記憶にも障害があらわれ、生活動作も難しくなってきます。次いで多いとされる「レビー小体型認知症」では、存在しないものが見える幻視やパーキンソン症状による筋肉のこわばりと無表情などが特徴的です。また、「脳血管性認知症」は脳卒中などの脳血管疾患が原因で起こり、記憶の保たれ方が部分的な「まだら認知症」や体の麻痺、言葉の障害などの後遺症が残る可能性があります。このような知識を身につけておくことで、病院の受診時に説明内容の理解がしやすくなり、適切な対応も可能になります。
編集部
本やネットの情報以外で、認知症について学ぶ方法はありますか?
大久保さん
最近では「認知症カフェ」と呼ばれる交流や介護相談を目的とした場が、病院や自治体などの様々な機関に設けられています。知見を広げるだけではなく、介護福祉士や看護師、理学療法士などの専門家からアドバイスを受けることができますので利用してみるのもおすすめです。
※この記事はMedical DOCにて【認知症介護のポイントを教えて! 介護方法によっては認知症が進行するって本当?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。