「ステロイド軟膏の副作用」にまつわる誤解と実際のトコロを薬剤師が解説
ステロイド軟膏を使うことで、骨が弱くなったり糖尿病になったり、やめられなくなったりするようなことはないそうです。そのほかにも副作用について、薬剤師の川村さんに詳しく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【ステロイド軟膏の副作用にまつわるウソ・ホント 使用時の注意点を薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修薬剤師:
川村 文栄(薬剤師)
編集部
ステロイド軟膏で実際に起こる副作用はどのようなものか教えてください。
川村さん
・皮膚が薄くなる
・毛細血管が目立ってくる
・皮膚が赤くなる・かぶれる
・にきびやおできができやすくなる
・皮膚感染症がおこりやすくなる
・塗った部分に毛が生える
どれも皮膚に限った副作用で、全身に起こる強い副作用はほとんどありません。
編集部
ステロイド軟膏を使うと体の中に蓄積したりしますか? 骨が弱くなったり糖尿病になったり、やめられなくなったりすると聞いたことがあります。
川村さん
軟膏の場合は起こりません。ステロイド内服薬や注射薬を大量に長く使った場合は、骨が弱くなったり血糖値が高くなったりする副作用がみられることはありますが、軟膏を使った場合は、皮膚から吸収される量が少ないため、このような強い副作用は起こりません。やめられなくなると感じるのは、しっかり治る前に使うのを止めてしまい、症状がぶり返してしまうからですね。
編集部
ステロイド軟膏を塗り続けると皮膚が黒くなることはありますか?
川村さん
ステロイド軟膏を塗り続けたことで、皮膚が黒くなることはないと言われています。黒くなるのはアトピー性皮膚炎の症状が長く続いていることによるものが大きいと考えられています。逆に、ステロイド軟膏をしっかり使い続け、アトピー性皮膚炎を早く治すことで皮膚が黒くなるのを防ぐことができます。