「老老介護」が増加している原因を介護福祉士が解説 3つのポイントを介護福祉士に聞く
現代の日本では、「老老介護」が問題視されています。老老介護が増える原因は“少子高齢化”にありそうですが、介護福祉士の千葉さんによると、「老老介護が増えている原因は少子高齢化だけではない」とのこと。ほかにはどのような原因があるのか、詳しく解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【「老老介護」の問題点とは? 原因や共倒れを防ぐ方法を介護福祉士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修介護福祉士:
千葉 拓未(介護福祉士)
編集部
老老介護になる原因とはなんでしょうか?
千葉さん
老老介護の主な原因は、「少子高齢化」「核家族化」「介護保険制度の問題点」の3つが考えられます。
編集部
少子高齢化が老老介護につながる理由を教えてください。
千葉さん
子どもの数が少ないことで、介護の担い手が少なくなることが主な理由です。両親2人と長女1人の家庭があったと仮定しましょう。もしも長女が結婚して家を出た場合、家の中で介護を担当できるのは、夫、または妻のどちらかになりますよね。反対に子どもが多い場合は、兄弟姉妹で介護を分担できるため、老老介護が発生しにくくなるのです。
編集部
少子高齢化についてはわかりました。続いて核家族化はどのような影響をおよぼすのでしょう?
千葉さん
核家族では、両親と子どもたちは別々の家で暮らしていますので、物理的な距離が発生します。中には市や県をまたいで暮らしている家族も少なくありません。日常的な介護がむずかしくなり高齢のパートナーが介護するケースが多くなり、老老介護となってしまいます。
編集部
では現行の介護保険制度の問題点とは?
千葉さん
介護保険制度が想定する「介護者」は、比較的体力や時間のある介護者だと考えられます。しかし、現代は共働きの家庭が増えており、仕事と介護の両方に追われている介護者が少なくありません。仕事と介護の負担により介護者がダウンしてしまい、高齢のパートナーが介護を担うケースも十分にあり得ます。