「鶏むね肉」はタンパク質だけじゃない! じつは“ビタミン”も豊富なことをご存じですか?
タンパク質が多く含まれていることで有名な「鶏むね肉」。じつは、ビタミンも豊富なことはご存じですか? 鶏むね肉に含まれるビタミンが、体にどのような影響を及ぼすのかについて「管理栄養士」の石本さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【「鶏むね肉が体に良い理由」を管理栄養士が解説 どんな健康効果があるのか】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修管理栄養士:
石本 めぐみ(管理栄養士)
編集部
鶏むね肉にはビタミンも多く含まれるのですか?
石本さん
鶏むね肉はタンパク質以外に、ビタミンB群やビタミンKも豊富です。ビタミンB6が特に多く、同じビタミンB群であるナイアシンやパントテン酸も含まれています。
編集部
ビタミンB群は体にどのように働きますか?
石本さん
ビタミンB6は、食べ物から体に取り込んだたんぱく質の分解に働く栄養素です。細かく分解されたたんぱく質は皮膚や髪、筋肉、内臓といった体の組織、酵素、免疫細胞などの原料になります。血液に含まれる赤血球の成分の合成や、女性ホルモンのバランス調整も、ビタミンB6の役割です。ビタミンB6は、赤血球不足が原因となる貧血や、ホルモンバランスの乱れから起こる月経前症候群(PMS)に悩む女性の味方になるでしょう。ビタミンB群に含まれるナイアシンやパントテン酸は、エネルギーの合成や燃焼に欠かせない栄養素です。
編集部
ビタミンKは体にどのように働きますか?
石本さん
ビタミンKは、骨や歯の形成に関わる栄養素です。骨や歯はカルシウムから作られますが、ビタミンKはカルシウムを骨や歯に沈着させる作用に働くため、骨がもろくなる骨粗しょう症の治療薬にも使われています。また、ケガで出血したときに血が止まるのも、血液凝固作用を持つビタミンKの働きです。
編集部
ビタミンB群やビタミンKが不足すると、体にどのような影響があるのでしょうか?
石本さん
ビタミンB群が不足すると皮膚炎や口内炎、貧血などが引き起こされる可能性があります。ビタミンB群は栄養素をエネルギーへ変換する働きに関わるため、エネルギーが不足して疲れやすくなったり、食欲が低下したりする可能性もあるでしょう。通常の食生活を送っていればビタミンKが不足することはまずありませんが、出血しやすくなったり、止血までに時間がかかったりすることが考えられます。